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エルフェンリート~elfen lied~「コミックス」

私のブログ記事としては異例中の異例。
自著以外のコミックスの紹介。
 
エルフェンリート~elfen lied~「コミックス」
 
知っている人には、もう説明の必要はない。
私はアニメから「エルフェンリート」という作品を知ったので、コミックスはごく最近の読了となる。
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私は、そう積極的には他の漫画家先生のコミックスを漁り買う方ではない。
(今は、そうだが、以前は違った。投稿家時代やデビュー前の「漫画漁り」は凄かった。ほぼ全てのお小遣いを漫画を買うことに費やしていた。ある意味の猛勉強時代。) 
 
今頃においては、心底気に入った作家さんの絵やストーリー。
そういうものは、むしろ私という描き手を(インスピレーションや技術的な意味で)構築するファクターとして、世間的には「内緒」にしておきたいのである。
 
こういう風に紹介するのは、だから異例なことなのだ。
(アニメの評論は、いちファンとして勝手気ままにやらせて貰っているが、それはメディアの違いのせいでクッションがあるからである。アニメと漫画は実は違う。そもそも漫画家が漫画家同業者の作品を評するのは、よほどの賛辞一辺倒でない限りは、失礼な感じがして気が引けるから基本姿勢はコミックス評論はしないのだ。何様でもないので、同業者を評論出来る立場ではないのだ。)
 
また、真に「お手本」や「目指すところ」として、私の書棚に置いている他作家先生の作品群に関しては、多分、今後もあまり紹介することはないと思う。
「これは、私の教科書的名作。むしろ、他の誰も見ちゃダメ。」という矛盾した愛着と敬意をはらうからである。
そこまで気に入る作品は、まぁ、今回の「エルフェンリート」のように世間的にも認知されているし、メガヒットしているから内緒にする意味はないのだが・・・(笑)。
稀に世間の認知度が不当評価的に低くすぎて、「私だけが気が付いている魅力。その愉悦感。」というような作品もある。(が、そういうものは、「世間は分かっていない。もっとちゃんと認識しろよ!」とかえって紹介もしたくなる・・・。)
 
さて、アニメ『エルフェンリート』が、独特で素晴らしいクォリティだったので、感銘を受けたのだが(ひどくショックな内容でもあったが)、その時点で原作は知らなかった。
 
知人が、原作の方もあまりにも推奨するので、私としては珍しいことだが、本当に原作本を(今さらながらに)購読してみたわけだ。
 
原作を読んでみて、アニメ版の『凄さ』も改めて認識出来た。
特にストーリー導入部の「惨劇」の演出は、アニメ版が凄すぎて音楽の荘厳さなど、つまりは動画プラス音楽のある世界ならではの展開に陶酔する。
ヒロイン、ルーシーを代表とするディクロニウス(ジルペリット)達の演技付けなども、明らかに全12巻のコミックスのうち、終盤のジルペリットの行動に原作者自身がアニメからインスパイアされたシチュエーションがフィードバックされていると思われる描写がある。(獲物を見据えながらジルペリットが膝小僧を抱き込むように座るシーンなどがそれ。)

こうしたことはアニメ版が、原作の完結前に製作放映され、アニメ版オリジナルの「まとめ方」を先にしてしまったことから生じた出来事だが。

原作コミックスのキャラクター描写に関しては意図的に紹介は避けておく。(たしかに、キャラクター画風のアクが強いと言えば強い。コミックス「エルフェンリート」の中に、もっと初期の短編が収録されていたりするが、とてもとてもアクが強い・・・)
 
版権絡みのこともあるが、ごく遠慮がちに2点くらいの画面紹介は赦してください、ということで・・・。
こうした、効果(画面エフェクト)的な描写の気合いの入り方に注目しておきたい。・・・

もう、何が描かれているのか分からないほど凄い見開きページ。
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ベクター(見えない腕)が嵐のように可視出来ている(としか思えない)圧倒的なシーン。

そうして、アニメ版が辿り着けなかった、原作本来の終焉はあまりにも痛々しく詩的でさえある。
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さらにその先にあるエンディングは、読者に想像の"のりしろ"を与える描ききらない演出で幕となる。

それにしても、各巻の巻末に「あとがき」挿入される作者、岡本倫先生のコメントは、驚くほど謙虚で妙な感銘を受ける。(「あとがき」のある巻と無い巻とがあります。)

普通、作家というのは「俺様」的なテンション(不遜さ)がないとやっていけないでしょう、と、私なんかは思っていたし、自己愛を肥大させながら仕事をしている人が多い。
皆、控えるよりもそういう風に背伸びをしなけりゃ戦えないのだ。
しかし、岡本氏はそうした業界にありがちなプロ的嗜好のルーチンからは佇まいを異にする言動で、不思議な感動がある。
『相変わらず不細工な漫画ですが』、『(アニメ版を評して)漫画と違って、とっても絵がきれいです』、etc・・・
 
岡本倫先生の自著に対するこの姿勢は、ある意味凄い。そして深い。
ファンになった人なら氏のそんなモノローグをきっぱりと否定出来る。
 
ましてや、自分の作品を評して最後の方で、ついには『とてもしあわせな作品になりました。』と言える氏の心境は、もの描きのはしくれとして、羨望して羨望してやまない一言だ。
誰だってそんな作品を描きたい。そんな作品を持ちたい。
 
私には生涯、口にすることが出来ない至宝の一言だ。
 
ざっくばらんな事を書かせていただければ、アニメ作品のテンションで、この原作コミックスは読むべき作品ではないように思う。
アニメ版とは設定の違いも多々あり。
 
原作コミックには、「なんで、そこで笑わせる」とか「とーとつにエロチック」みたいな、H(エッチ)シークェンスがあちこちに挿入されるが、これは読者サービスというより、作者の自然な発露だろう。
テーマ性の重さゆえに、ちょいとしたユーモア、そして肌と肌を重ねたぬくもりや性的な恍惚感は、肉の痛みや傷付く精神の隣り合わせにあるものだから、人の営みの儚さや崇高さ、猥雑性や羞恥、官能とないまぜになって、なんだか全てが愛惜しくうつるのである。(作劇的にもそれは「緊張と緩和」の理にも適っている。)
 
エルフェンリート~elfen lied~「コミックス」、そしてアニメ版は、どちらもテーマを揺るぎなく捉えている。
共に名作だ。
 
PS
以前、このブログに書き込みをしてくれた、とある人のハンドルネーム、
『結婚指輪にしたいなぁ』さんの、ネーミングの由来が、原作「エルフェンリート」を読んで、ようやく理解出来ました(笑)。
・・・(涙)。
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インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by PINKNUT_INC | 2008-06-29 19:21 | 漫画

「エルフェンリート」(Elfen Lied)その2、DVDで見る

アニメ「エルフェンリート」(Elfen Lied)の話題、続き。

ウエブ通販で店舗に発注していた「エルフェンリート」のDVDの全7巻が届いた。
 
1巻目だけが『初回版』仕様で、特典にサントラCDが付属していた。これが嬉しい。
 
なにせこのアニメの音楽をとみに高く評価している俺だから。(なぜだか、これだけの名曲なのに、CDのサントラ盤が市販品として単独で販売されなかったというか、存在していないらしい。「エルフェンリート」DVD初回版仕様、第1巻目を入手するしか、BGMや主題歌の音源は手に入らないようだ。)

DVDの内容自体も買って正解♪。
やはり、「16:9」のビスタ・サイズで見ると、先に見た地上波放送版やAT-X放送版の画面より左右に広いし、完全ノーカット、規制無し。
テレビ放送版の自主規制が全て取り払われて、製作者の意図したままの映像で見られました。
 
それにしても、DVDを見ると、スカパーのAT-X版(有料放送)でも、まだ規制されているシーンがあったんだと驚く。(ほんの一部だけど。・・・ましてや「地上波放送版」と「DVD版」とでは比較にならない。もはや別物である。)
・・・なによりも「4:3」画面と「16:9」画面の差は、見比べるとなかなかに大きい。
 
以下に、(キャプションをつけて)DVD画面の一部をご紹介。
 
DVD版「エルフェンリート」
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こういうシーンから左右の幅の広さが堪能出来る。(前回紹介のAT-X版と比べると顕著。)
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でも、この「16:9」画面も、別に「4:3」の画面になっても問題ないようなレイアウトになっているね。
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さて、悲劇の如月(きさらぎ)さん。
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これでも「東大卒の才媛」という設定。しかし、室長付き秘書としてお茶汲みひとつ満足に出来ない人。
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お盆に載せてお茶を運ぶ単純作業で、なんでこんなに苦闘してるんだろうか?。
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「4:3画面」ではキャラが画面の外に切れてしまう。「16:9画面」の両サイドを目一杯使ったお茶運びシーンである。
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ほっ、
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零(こぼ)しませんでした。この辺は「16:9画面」をレイアウト的にも有効に使っている。
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そして、問題の『如月嬢の悲劇シーン』・・・。
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もちろんここに来るまでも問題シーンのつるべ打ちだっのですが。
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俺的に最大な悲劇(残虐ポイント)と感じるシーン。この作品は、音楽の秀逸さを前回にも褒めたが、BGMや効果音などの使い方もかなり上手い。
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ディクロニウス(新人類ルーシー)のヒップまでチラリとレイアウトに入ってくる。あ・・・、
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あぁ・・・、
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そして、ここから!
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もうダメ・・・
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やっちゃってます(惨)。
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AT-X版でさえ「光のエフェクト」でボカしていたシーン。
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DVD版では(一瞬の出来事ですが)首をねじ切る効果音も生々しく躊躇無くノーカットで完全描写。
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あんまりです。如月さん憐れすぎるっ。
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ゆっくりと生首も血しぶきも宙に回転。
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ドサリ。
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フラッシュ・マズル・ブレーキ付きのMP-5・SMG
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一斉射撃
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前回にも紹介したシーン
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首をねじ切った如月さんの体を使って弾よけをするルーシー。
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映画「俺たちに明日はない」のラストシーンでボニーとクライド(主人公達)が警官隊の銃撃で87発の集中砲火を浴び、既に絶命しているのに弾着の反動で、その体が射撃が止むまで踊り続けるように猛烈に跳ねる有名なシーンがある。あの映画以降、銃撃掃射を受ける人物の小躍り演出(死者の踊り)はリアルだという事で後発の作品で真似され続けた。(それまでの映画には、そんな演出はなかったのである。)
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このアニメではご覧のように、その演出が(ただの死体ではない状態のものをベクターでつり上げている設定によって)さらに冷徹な残虐描写に。如月さんの首のない体は(かなり長い間)踊り続けます。
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射撃が止む。もはや包囲網の弾切れ。包囲網なす術なし。ルーシーも不要になった如月嬢の体をポイ。無慈悲すぎます。
なのに
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なんで肉弾突撃するか。・・・ルーシーのベクターで胸をぶち抜かれる警備員。胸をぶち抜かれた警備員の心臓が脈動しながら背後の(しりもちをついて腰を抜かしている)警備員の腹の上にべったりと貼り付いて、すぐに転がり落ちる(アップになっている)動画もあるのだが、そのシーンはここに選出するのも憚(はばか)れた。
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ゆっくりと、ゆっくりとルーシー前進。
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蔵間(くらま)室長の横を一瞥もせずに通り抜けてゆく。
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ルーシーと蔵間室長には後にドラマの描写で明らかにされる因縁がある。その室長の背中にタッチ
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狙撃シーン。
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50口径パレット・ライフル。狙われている気配を感じて、振り向こうとしたルーシーの
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鉄仮面の側頭部にヒット!
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拘束具の鉄仮面粉砕。
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衝撃でぶっ飛ぶ
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「しまった!」
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「仕留めきれていないっ!」。16:9の画面のレイアウトだから優美な肢体がゆっくりと落ちていく
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夜の断崖から海へ
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場面は一変して翌日の昼下がりの浜辺
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もう一方の主人公達、コウタ(耕太)とユカ
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波打ち際近くで全裸の美少女背景の空間も左右が広いと奥行きがある。(主に背景の美術でこそ全編にわたり「16:9」の臨場感が効果的になる。)第1話では「殺戮者ルーシー」の素顔は、はっきりと描かれるシーンがなかった。
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この一瞬のルーシーの右の横顔から、左の横顔にカメラが振れるシーンで垣間見えるだけ。
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何も覚えていない
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わからない
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ここはどこだ?。わたしは・・・?。
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・・・・・・!?ところで蛇足な感想を書くと
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この「エルフェンリート」は、こういう絵柄だから(まぁ、大人達の絵柄は比較的リアルっぽいが)残虐な描写もショッキングな思いをしながらも見せられてしまう。
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この可愛い絵柄を劇画調や、やたらデッサンの達者なイラストっぽい大人びた絵柄にしてしまうと、その残虐描写は見られたものではなくなる。「エルフェンリート」は、この絵柄がいい。この愛らしさや(少しばかりの)未完成度が、かえってテーマを浮き彫りにする。隙のない冷たい印象にならない。
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さて
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ここからは選り抜き的にオマケ・シーン
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おしっこに行きたい『にゅう』(ルーシー)。会話が成立しなくなってしまっているので言語未発達な幼児状態。
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座り込んじゃって「はにゃ」とした顔。
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ぶるるっと震えて、もう時すでに遅し
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失禁しました。
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気持ちよく座りおしっこです。

 
ともあれ、テレビサイズとDVD版との、映像のレイアウトや広さの違いが、これで分かるでしょ。

前回に紹介したシーンと同じ絵もあるので、レイアウトの差を感じて欲しい。・・・左右を切っちゃダメですよ。やっぱり。(最近、戦略的に地上波放送を「4:3」にしてDVDや有料放送のみ「ビスタサイズ」で、というアニメが増えちゃいましたね。)
 
やっぱりビスタサイズのDVD版を見て、色々と納得しました。
 
嬉しかったのは、深い感銘も受け大好きになったテーマ曲『LILIUM』が、DVDのメニュートラック(チャプターやメニュー選択ページ)の挿入曲として、付属のサントラ盤CDにも録音されていないヴァージョンがフル・ヴァージョンで2種類聴ける事であった。
 
DVD版を買って良かったです♪。
       
Elfen Lied - Lilium
        
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インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by PINKNUT_INC | 2008-01-05 18:16 | アニメ

「エルフェンリート」(Elfen Lied)

ごく最近に「エルフェンリート」(Elfen Lied)というアニメを見た。
今まで知らなかった。
 
他の件でネット検索していたら、たまたま出会ったのである。
知る人ぞ知る有名な作品で、原作もアニメもヒットしたらしい。
既に数年前に話題になった作品だ。
原作の話題性で言えば、5年ほども遡ることになる。
 
俺はアニメ版でハマった。(実は原作漫画は、まだ拝読していない。すみません。)
ともあれ、オープニング・アニメのグスタフ・クリムトを模した絵と、その演出の秀逸なセンスに吃驚。
それになんと言っても決定的なのは『LILIUM』という主題曲の哀しいまでの荘厳さにノックアウトされたことだ。
 
第1話の冒頭10分あまりの演出は凄い。
 
色々なハリウッド映画作品のとある場面を、そこかしこに想起させる感覚に陥るが、これはジャパニメーションでなければ描けない絶対領域の世界観だろう。
ある意味、実写の劇映画さえ超えている。
 
実はこのアニメ版の作品は、以前から俺のウエブ日記やブログで紹介させていただいているアニメ・マニアな友人に、2年ほど前にディスクを借りていたのだが、それは地上波を録画したもので、なんとなく一部を垣間見たものの、さほど歓心が湧かずに、ちゃんと見切らずに見逃してしまっていた。なぜなら地上波放送のこのアニメは残酷な描写の自主規制から「わけのわからない画面のつるべ打ち」になってしまっていたからだ。
残虐シーンがカットしまくりでは、体を成さないのである。(にしても、なんでオープニング・アニメまでその時に琴線に触れなかったは謎である。多分、当時は早送りしてしまって、音楽をしっかりと聴いていなかったんだろうなぁ・・・。)
 
これを「AT-X」放送版の(ほぼ)規制のない画面で見ると、アニメや原作の持つテーマ性のショッキングさが浮き彫りになる作品だった。
そこをかいくぐらないと、この作品に関しては真価を問えなくなるのである。

「エルフェンリート」OPアニメ・シーン
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グスタフ・クリムトの絵画を模した絵。
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グスタフ・クリムトは20世紀初頭に活躍した画家である。
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なんともお洒落だ。どんなアニメが始まるのかと思ってしまう。
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素晴らしいのは声楽曲『LILIUM』の美しさ、もの悲しさ。
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この1枚などは完璧にグスタフ・クリムトの『接吻』である。
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耽美的でさえある。
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もう一度グスタフ・クリムトの『接吻』。
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とにかく美しい。赤毛のヒロインの側頭部にある猫ミミみたいなものは「角(つの)」である。
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ここからアニメ本編の紹介。(画面は4:3となる。OPアニメ・シーンのみ上下に黒帯があった。)
DVDでは全編16:9になっているのだろう。それが見たくて遅まきながらDVD版を全巻発注した。それが届く前にAT-X版の画面で紹介していく。
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画面は全て地上波放送版ではなくAT-X版(スカパーのアニメ専用チャンネル)である。
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冒頭「羊たちの沈黙」のレクター教授の拘束具のようなスタイルで拘束されていたヒロインが収容所を脱走するシーン。(脱走と言っても、彼女はひたすらゆっくりとした歩調で前進するだけだ。)
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なんの説明もなく凄惨な殺戮シーンが続く。
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全身拘束具で固められていたが、檻を脱出した時点でヒロインの拘束の名残は鉄仮面だけとなっている。(四肢を拘束していた囚人服?を脱いだヒロインは全裸である。)
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銃撃シーンのエフェクトなども音響とあいまって効果有り。
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地上波では、こういう残虐シーンは、全てエフェクトがかけられるか、完全に真っ黒な画面で音声のみとなっているので「わけのわかんないシーン」が延々と続くことになる。
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スカパーではその辺が(ほぼ)ノーカット放送された。(DVD版の方は、もっとモロ見せらしい。)
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獲物を相手に子供のようにしゃがみ込むヒロイン。
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恐ろしい。(このあと、鉄仮面のヒロインに画面は固定されたまま音声のみで、肉や骨のきしむ音と引きちぎれる様子、躊躇無く警備員を殺害している描写がされている。)
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ヒロインの絶対的殺傷武器はベクターと呼ばれる「目に見えない4本の手」である。その見えない触手の威力が及ぶ範囲に接近すると攻撃される。つまり、距離を置けば大丈夫な理屈なのだが、9ミリパラペラム程度の拳銃弾くらいはベクターが排除してしまって(飛び道具も)通用しない。
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あろうことか、このシーンに、事態の深刻さを知らないお茶くみをしていた女性職員が、つんのめってまろび出る。
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彼女はこの直前に同僚と給湯室で談笑する無邪気なシーンが挿入されていた。(そういう演出のせいもあり、アニメ全編を見終わっても尚、この如月という女性職員の悲劇が、俺には一番ショッキングだった。)・・・血糊のついたベクターの手が彼女の肩に触れる。
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直後のシーンでなんのためらいもなく女性職員の首は(見えない手によってあっさりと)ねじ切られる。さすがにこのシーンはAT-X版においてさえ、下部に光のエフェクトが入ってボカされる。推察するに話数の先のシーンで男性警備員の首が回転しながらゆっくりとねじ切られるシーンがあったので、ここも同様の動画になっていたのだろう。
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女性の首がゆっくりと中空に浮かぶ。
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出血の様子も生々しい。
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自分の身に何が起こったのかわからないままの女性職員の表情。
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ゆっくりと崩れ落ちる女性の首のない体。
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いったん床に横たわった女性の死体を次には銃弾よけに差し上げる冷徹な鉄仮面のヒロイン。床に転がっている女の子の首が非道い。
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さすがに、これだけの数のSMGによる一斉射撃は盾を使って防いでいるが。
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基本は223アーモリーくらいでもベクターで排除出来るふしがある。防御の省エネのようだ。(もっとも、画面で警備員の装備兵器を見る限り小型のリボルバーやSMGにMP5くらいしか出ていないので、全て拳銃弾という事になる。ベクター1本で盾を持ち、あとの3本のベクターによる高速移動やその振動波によってシールドを張っている理屈だろう。)
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ひとしきりの弾倉分が底を尽くと、またゆっくりと前進開始。
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警備員が肉弾突撃しても相手にならない。このシーン、実は胸を突き破られて警備員の心臓が背後の警備員の胸元まで飛んでいる。
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警備員、なす術無し。だったら全員逃げればいいのに。あまりのことにあっけにとられている。(警備員たちは相手がどんな化け物か詳しい知識がないまま戦わされている様子だ。)
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逃げる間も無く4人ほどが次々と犠牲に。
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室長のメガネの男性の背中にベクターでタッチ。『おまえは、まだ今は殺さない』というヒロインの無言のメッセージ。
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ついに施設の屋外までゆっくりと逃走したヒロインの後頭部を狙うターゲット・レティクル。
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スコープ照準の正体は対戦車ライフル。ターゲットの首を跳ね飛ばす算段らしい。ヒロインのベクターでも防御不可という判断。
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しかしトリガーを引いた瞬間、気配に感づいたヒロインが振り返ろうとして横を見た。
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その側頭部にヒット。
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鉄仮面を粉砕したが、これがクッションになってターゲットを仕留めきれていない。・・・ヒロインは夜の断崖から、海へと落下する。
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彼女が次に姿を現したのは(多分、翌日の)昼間の海岸だった。(舞台は鎌倉の由比ヶ浜あたり。)
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偶然に海岸に来ていた男女がヒロインを目撃。
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赤毛のヒロインは茫としてそこに立ちつくしている。
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何も覚えていない。
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自分が誰なのかも分からない。
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「はっ」と気づく彼女の目は前夜の殺戮者の表情ではない。側頭部の一対の角は「硬い猫ミミ」にしか見えませんが(笑)。
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記憶を失った彼女は人のいない方向に逃げ出そうとして砂浜で転ける。
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今はただのあどけない少女である。
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それどころか、じつは言語さえ失っている。(発声はするが、これ以降「にゅーにゅーとしか言わない。」)
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幼児のように泣き出す。
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海岸で出会ったのが運のつきで、カップルでいた男女が、とりあえず家に連れて帰る。
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冒頭の殺戮者の面影が微塵もない彼女、(精神分裂を起こし、別人格になってしまっている。表情や顔つきまで別人である。)
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桜の花びらが不思議な彼女。別人格になる前の彼女「にゅう(本体はルーシーと呼称される)」は8年間も鉄の扉と厳重な拘束具によって、身動きのとれないまま幽閉されていたのだ。

とにかく、第1話に関しては圧巻である。
 
とりわけ、『LILIUM』というテーマ曲の劇中における使われ方が凄い。
音楽が、作品のステージを2~3ランクくらいは押し上げている。(というよりは、『LILIUM』というテーマ曲がなければ、このアニメ作品は成立しないとさえ俺は思う。このアニメ全編にわたって全く別のテーマ曲を与えられていたら、それは別物の作品になっていただろう。)  
 
このアニメの原作は2002年~2005年に描かれ、アニメは2004年の製作公開だったらしい。(原作の完結前にアニメは製作され、原作とは違うシナリオになっているようだ。)
 
今の俺には描き手の立場として、あまりバイオレンス嗜好や残虐な描写に腐心するようなベクトルは薄れたが(求められれば描かなくもないが、自分から積極的に発信する勢いは薄れた。・・・だって、こういう作品って制作サイドは病みます。原作者、よくぞ漫画コミックス12巻分をラストまで描ききったと思う。この手の陰鬱なテーマの作品は、描き手も侵すきらいがある。短期間ならともかく、何年もの長期間の付き合いとなると、描けば描くほど描き手も陰鬱に摩耗していくのだ。経験済みである。描けば描くほどリフレッシュ出来るテーマを選ぶ方がよろしい。・・・それが分かっていて、何故、こういうスプラッター漫画やバイオレンスを描きたい欲求が俺や他の作家にあるのかというと、その理由ははっきりと把握している。テーマに関する事を作品ではなく言葉で記してしまう気はないので、ここでは明記しないが・・・。いずれにせよ難しいテーマではある。拒絶される人には完全に拒否反応を受けてしまうジャンルのものだし。そうしたハードルがあって尚、「エルフェンリート」は評価されていい作品だと思う。事実、評価されているらしい。が、当然、万人に推奨は出来ない。)
 
それでも、このエルフェンリートの場合は、アニメと漫画とに決定的な違いがある。
アニメには「音」があるのだ。
「音楽」。「声」。
書物と映画(当然、無声映画は枠外)の差である。
 
アニメ版「エルフェンリート」は、まるで宗教音楽のような、声楽曲の救いがあって、何かしら原作のテーマ性の行間を埋めて、さらに昇華させるような力を感じる。 
 
俺が10年~15年ほど前に描きたかったものはこういう作品だったのかもしれない。(「聖狼少女」まで遡ると20年前になる・・・。)
アニメ版と原作は微妙に違うようだが、俺が暫くの間、バイオレンスなジャンルの漫画を描くことに思い入れていた時代の1988年~1994年頃から、7~8年後にこういう作品が、格段に才能豊かな作家(岡本倫先生)の手によって世に出ていた事をちっとも知らなかった。
俺も、のどかである。
 
アニメの完成度に関しては、後半に行くほどいくつか思うところもあるが、(原作に関しては読ませていただいていないだけに、何も語ってはいけないが)・・・おおいにアニメ版に感心はした。
 
とにもかくにも、音楽『LILIUM』は至宝である。
 
Lilium
       
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インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by PINKNUT_INC | 2007-12-31 00:52 | アニメ