アニメ『そらのおとしもの』~第13話/空の女王(オトシモノ)
2009年 12月 31日
前話までの風呂敷の広げ方や、ギャグとシリアスのバランスが「ビミョー?」と思えるような作劇だったりしていたし、そもそも原作のスタンスに首を傾げる部分もあったので、いくばくかの危惧は持っていたのだが・・・。
テレビシリーズの今期の最終話としては、まぁ、なんだか呆気にとられるくらい綺麗にまとまってました。
とても後味の良い終わり方だった。
なによりであります。
(細部のセリフに突っ込みどころはありましたが・・・。)
今まで、この作品に付き合ってこられた人は、この第13話は、ぜひ、しっかりと見ましょう。
では、キャプチャー画面の紹介。
要撃用エンジェロイドタイプ、γ(ガンマ)・ハーピー二人(ということらしい。)
いかにも性格が悪そうなキャラです。
・・・で、ガンマは、個体の名前がそれぞれあるのかないのか、よく分からないんです。
~イカロスが兵器でも、イカロスの「心」の在り方を信じていた。
「おまえが兵器で良かったなって。おかげで友達を助けられる。」
「~頼む、ニンフを助けてくれ!イカロス!行け~~ッッ!。」みたいな流れに。
・・・ここら辺、少しセリフに(原作がそうだったにせよ)配慮は欲しかった。
『兵器で良かった』というのはイカロスが自虐的に、しかし誇りをもって「私、友達を助けるために今、その能力(ちから)を使えるから。」と言ってのけるのなら逆説的な感動もあるけれど、智樹が発していいセリフではない。・・・せめて、「おまえに特別な力があって、今なら良かったって思う。その力でニンフを助けてくれ。」というくらいのセリフにとどめてくれないと。・・・「兵器」って言ってのけちゃうのは。
まぁ、むずかしい所かな。
「最終兵器彼女」みたいに後付けで兵器になったわけでもなく。
「兵器としての存在が、まず在りき」でイカロスは生みだされたようだし。
レプリカントとか、生体であって兵器の能力も持つ生命というのなら、「生命体」として受け入れやすいのだが、エンジェロイドの定義が曖昧なので、アンドロイド(メカ)なのか、遺伝子レベルでは人間と同じか、近いような『強化生命体』なのかが分からない。
平成ガメラのギャオスみたいに、繁殖することも出来るのならエンジェロイドってのは面白いが、これまでの劇中描写は、なんか錆びたりするみたいだし『未確認生物』というフレーズの割には、ずいぶんとメカっぽい描写が多いんだよね。
SF考証的なこだわり派としては、立ち位置をブレさせないほど、読める行間の想像力が狭まってしまう。
もっと、色々な興味も抱きたいので曖昧なのは、曖昧でもいいのだけど・・・今のところエンジェロイドはメカっぽい。
でも、『イヴの時間』や『電脳コイル』の中に登場するキャラのように、有機生命体ではなく、明確に機械や電脳が「個性のある存在」として立っている作品もありますね。
・・・そういうのは、そこに「心」や切なさ、アイロニーを感じて、たいそう愛おしく感じてしまう私の嗜好があります。
イカロス、もう迷いはなく、勇気百万倍パワー。
虚空にリンクした、イカロスの両翼が、なんにもなかった空に・・・、
(後述もしているが、『Fate/stay night』(フェイト/ステイナイト)のギルガメッシュの無数の英雄剣が虚空から姿を現すみたいな感じ。あえて言えば、なんか、それの対宇宙戦規模のスケール。・・・まぁ、こういうのは『天地無用!』で既出の感もあるが、中枢の司令塔がイカロスなので別な趣向きがある。)
(こうなると、なんぼほど最終兵器があるのかと言いたくなる(笑)。)
最終話です。
今回は、第1話の「そらのおとしもの」オリジナル主題歌『そばにいられるだけで』がフィーチャー。
いつしか、空からは雪がちらほら舞い始める。
クリスマスの雪を眺めながら智樹たちと、その中心にイカロスの姿。
イカロスは、最終話まで「自然な笑顔」を見せることはとうとうありませんでした。
その心は、満たされていく予感を力強く感じているのでしょうが、仲間みんなの笑顔を貰いながら、イカロスがその翼を大きく拡げて、みんなを包み込む演出は、まことに綺麗な情景でありました。
イカロスは、いずれ必ず自然な笑顔を見せてくれることでしょう。
『完』でございます。
イカロスの戦闘シーンは、本当になかなかのものだった。
虚空から武器の現出シーンは、先述もしたが、『Fate/stay night』(フェイト/ステイナイト)のギルガメッシュみたいな迫力があった。CGが威力を発揮するシーンでもあるが、こういうのはお話しの盛り上げ方が巧くて、一層の効果を上げる。
とうとう「笑って見せなかったイカロス」の演出が、ここではいい。
・・・なんか、第2期がありそうな感触ですね。
(噂のDVD用のプラス1話は、本編の最終回がこうだと、ストーリーの本筋とは関係のない、オマケやお祭りイベント的な内容になるのかな?。・・・まぁ、しかしそれを言うなら「そらおと」のほとんどのエピソードが、毎回、特典話数みたいな内容だったのですが・・・(笑)。)
綺麗に終わって良かった♪。良かった♪。
スタッフの皆様、ご苦労様。
そらのおとしもの 第13話ED
by PINKNUT_INC | 2009-12-31 08:38