タグ:planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 ( 1 ) タグの人気記事

インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン

アニメ『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』を見た♪


アニメ『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』を見た♪
 
原作は2004年にリリースされたコンピュータゲームで、この時代のタイミングとしては『AIR』(エアー)とかに始まって(2000年~2001年)辺りから、「泣かせる」由来のストーリーが連綿と受け継がれていた時代だった。
 
「泣きゲー」と言う、揶揄とも称賛ともしがたいジャンルくくりの俗称はあるが、こうした作品群に、根強い支持者とファンがいることも間違いなく、佳作・名作が少なくないのも事実だと思う。

『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』
c0137122_08563159.gif
 
本作アニメ版は、WEBアニメとして2016年に「planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜」全5話が配信され、同年の秋に5話をまとめたものを「劇場版アニメ」として公開された。
アニメ化されたのがかなり遅かった名作だ。
 
その分、最初のリリース当時に受けたであろう感想より、アニメ作品として今見せられると、とても「静かな、淡々とした」ドラマに見える。
 
昨今のアニメの脚本や構成は、手数が多くて、キャラクターの相関図も複雑だったり、伏線に凝っていたり、本来シンプルなものにまで変化球的な描き方をするものが多い。
そうした流れの中で、本作を見ると、少しばかり作品世界の時間の流れ方に異質な感触を受ける。

少女型ロボットの視点から本作は始まる。 
c0137122_04441638.gif
上の視点画面と下の視点画面とでは、彼女(少女型ロボット)と対面したチームのメンバーそれぞれが加齢していて、年月の経っているのが分かる。(「彼女」を作った者たちということではないらしい。)
c0137122_04442113.gif
(プラネタリウム館の)メンバーは、「少女ロボット」に別れを告げて涙していた。
c0137122_04442738.gif
単に「少しばかり長くなる旅に出るから」的な言い方で、少女ロボットを置いていくチームの実情は、施設の放棄だった。
外の世界は"世界規模の大戦"で、都市ごと荒廃してしまう未来しかなかった。そんな世界観が本作の舞台。(大気汚染もあるのか背後の人物は毒ガスマスクなどつけている。)
 
我々の近未来か、並行世界で起きているかもしれないようなストーリーだ。
 
オープニングが、少女ロポットの視点と認識から始まっている映像画面であったことを覚えておいていただきたい。
・・・それはとりもなおさず、現実の私たちの日常ともリンクしている。
 
私たちの「生きている」という日常生活の認識も、ロボットのようなターゲットスコープこそ視界には出ないものの、自分の視点から世界と繋がって生活しているわけである。
 
少女ロボット「ほしのゆめみ」もまた、その視界の中から得られる情報や、音声認識の中で、命ある人とは別の活動体として「感じ」「考え」行動する個体なのである。そう。彼女は生きているのである。
c0137122_04443193.gif
待機室で待つ「ほしのゆめみ」。動力源はまだ落ちていない。スタッフと別れ、取り残されてからどれほどの時間が経過しているのか。この辺りは謎のまま。
c0137122_04443400.gif
「封印都市」となった瓦解した町は、ロボット兵器に支配されていた。
c0137122_04443959.gif
ロボット兵器と逃走する人との関係は、ドラマの中では何も説明されていない。簡単明瞭なのが「都市の中において敵対関係である」ことだけは分かる。
c0137122_04444208.gif
「ほしのゆめみ」が待機チェアからいない。・・・つまり、彼女にとっての「活動時間」になって行動を開始しているのである。
c0137122_04444382.gif
施設を放棄したスタッフの何らかの思惑か、誤動作なのか、「ほしのゆめみ」は、まだ日常のスケジュールをこなしていた。彼女はこの「プラネタリウム施設」の「案内嬢ロボット」としての仕事を、誰も来ることのない荒廃した町の中で、客を待ち続けていたのだ。
(もっとも、このあたりの真の事情はアニメを見ただけではわからず、検索による後付け知識だと、"『1年間のうちの1週間だけ稼動し、残りの51週は充電のために眠りに就く』というサイクルを無人になってから30年間ほど繰り返している"ということなのだそうだ。)
c0137122_04444525.gif
そこへ、ある日、ひとりの客が来た。対人兵器から逃れてきた「彼」が、この施設に迷い込んだのだ。
c0137122_04445092.gif
この施設は、「人との敵対の構図・関係」からは隔絶された放棄施設だった。そこにあるのは大きなプラネタリウム。その機体を少女は「イエナさんです!」と紹介。
c0137122_04450833.gif
そうして、案内役の少女ロボット「ほしのゆめみ」。
c0137122_04451303.gif
じつは、「ゆめみ」本人も自覚していることだが、彼女は少し「壊れている」。
 
外界の世界大戦や都市の荒廃、人のいなくなった理由なども知らず、関知もせず、メンテナンスの行われない、取り残された施設の現状の中では、ルーティーンな活動時間に添った行動は出来ても、経年や機械的な故障、そこかしこの祖語に対応できていない。
 
施設そのものも、肝心のプラネタリウムまで故障していて動かないのだから案内嬢としても意味がない。
c0137122_04451569.gif
ただ、外を警ら徘徊する対人ロボット兵器群のせいで、このタイミングでは出るに出られない「彼」は、酔狂なことながら、(籠城している間)なんか故障している施設のプラネタリウムを直す流れとなる。簡単な機械いじりの知識スキルは持っていたのだ。(上の画は、プラネタリウムの故障が直ってから行われた、投影会の星座の一幕である。)

蛇足ながら、私も神戸の西端に住んでいる関係から、「明石の天文科学館」はごく近くにあるので、中学生時代は毎週のようにプラネタリウム上映会に通っていた時期がある。
c0137122_13120440.gif
明石市立天文科学館のプラネタリウム投影機(カール・ツァイス・イエナUPP23/3)。本当に「イエナ」さんなのである。
 
「ほしのゆめみ」のプラネタリウム・アナウンスはそのまま現実のプラネタリウムの司会役の語るシナリオと同じで、・・・そう。体感したことのある人なら分かるかと思うが、小一時間ほどの星の上映会が終わると、何割かのお客は気持ちよくなっていて「眠ってしまったり」していたものだ(笑)。
 
司会者には申し訳ないが、それもプラネタリウムの良い思い出である。(入館料にプラネタリウム鑑賞料金も含まれている。一日4~5回の上映だ。)

ちなみに「彼」は通称「屑屋(くずや)」である。
c0137122_04451627.gif
細菌兵器による汚染と大戦荒廃で人が住めなくなり、放棄された封印都市の中から、対人ロボット兵器とは無縁な、まだ人の役に立つ物資を拾い集めて搬出している屑屋(廃品回収屋)だったのだ。
 
プログラムやシステムとしては(封印都市内においては)対立関係にあるロボットと人。
この都市が大戦時の細菌兵器のせいで、かなり短期間に強制的に放棄された特異な事情から、「重要な建造物や機材、その他の物資」までもが置き去り状態なのである。「もの」としては勿体ないものがあるので、封印されたあとも侵入者が使える物資を狙ってやってくるのだ。
ターミネーターの世界のような、「すべての機械vs人類」という構図の設定ではない。
「死んだ都市からの物の持ち出しは危険物もあるだろうから」、なんらかの機関が「侵入者排除の警備ロボット」を「封印都市」内に限定して放っているのである。

まぁ、外の世界もきっと荒廃しているのだろうが、どちらかと言うと、「封印都市」に侵入する人間の方がヤバイ。
(そうしなければならないほど、封印都市の外だって物がなくて住みにくいのだろう。) 
  
そうしたなかで、少女ロボット「ほしのゆめみ」のキャラクターは、大戦の事情とも、物資警備とも無縁な成り行きから、人全般に対して(侵入者も含む)敵対的なものは微塵もなく、ただ、道具たる機械群と人の間に立って、その仲介役として、「ひたすら人の役に立ちたい」という使命意識だけがあり、フレンドリーな性格付けの淑女であった。

ロボットの話す言葉であろうと、彼女との会話に「彼」はいつしか癒されていた。(ドラマ中では「酔っていた」というような言い方をしていたけれど。)
 
ちなみに「彼」はドラマ中、一切名乗らなかったので名前も分からないし、少女ロボットも「お客様」としか呼ばない。 
c0137122_04452040.gif
やがて携帯食も底を尽き、今すぐ外に出る(封印都市から脱出する)ことしかなくなった「彼」は、施設に置いていても、常設してある動力源が切れたら、二度と訪(おとな)う人もない施設で朽ちていくだけだ。「彼女をどうすればいい?」と悩む。
 
そして、そんな逡巡をしている彼(もともと少しケガもしていれば疲れてもいる様子)を観察していた少女ロボットは、それもまた業務の一環として半径3キロメートルほどなら、「具合の悪い方を放ってはおけませんから、お見送りします」と「彼」のいう所の、脱出するための車のあるところまで同伴すると言い出す。
 
「彼」は思っていた。
 
もうじきバッテリーの切れる彼女を外に連れ出せれば、エネルギーを補充する手段もあるだろう。
c0137122_09001433.gif
彼女が生粋の「星(プラネタリウム)屋」なら、小さな投影機を作ってやって、プラネタリウム・ショーを望んでくれるような子供たちのいるような居住区をまわって、自分も「星(プラネタリウム)屋」をする。

・・・そんな稼業に鞍替えするのはどうだ?、と。
c0137122_09004463.gif
「(馬鹿な・・・)」と心の中で皮肉に笑って見せる「彼」だったが、案外、本気に考えていたことかもしれない。
c0137122_17472243.gif
あるところまで、戸外に出ると「対人自動砲台シオマネキ」が見張り役として通せんぼをしていた。
c0137122_04452316.gif
隠れた場所からの奇襲を試みたが失敗して、その自動砲台に見つかり戦闘を余儀なくされる。
c0137122_04452699.gif
凄烈なシオマネキの砲火。(脱出路の確保まで、少女ロボットには後方で待機しているように厳命していた「彼」だったが。)
c0137122_04453075.gif
手持ちのロケットランチャーだけでは(ミスファイヤ「不発」もあり)抗しきれず、逆に砲火の瓦礫に片足を傷つけられたり埋められたりしそうになる。絶体絶命のピンチ。
c0137122_04453599.gif
その時。自動砲台シオマネキの真正面から「ほしのゆめみ」が真っすぐ歩み寄っていった。
c0137122_04453893.gif
(「あれほど、待っていろと言ってあったのに」と、愕然とする「彼」。)

じつは、ここ、「ほしのゆめみ」は受諾されるハズもない「攻撃中止の要請」を発信し続けながらシオマネキに歩み寄っていたのだ。
c0137122_04460175.gif
自動砲台から、何の躊躇もない集中砲火。
c0137122_04460506.gif
これが時間稼ぎになり、この彼女の後方で、倒れこんでいた「彼」は体勢を立て直してロケットランチャーの最後の1発を放った。

しかし、すでにシオマネキの砲撃で「ほしのゆめみ」の体は炸裂していた。
c0137122_04461074.gif
と同時に、シオマネキの頭頂からも、「彼」の放ったランチャーの砲弾が命中、爆破。
c0137122_04461076.gif
自動砲台シオマネキは沈黙した。

「なぜ、こんなバカなことをしたッ」彼女に駆け寄り「彼」は叫んだ。
「お客様、ご無事でしたか・・・。おかえりなさい・・・。」
c0137122_04461318.gif
機械的にも致命的な破断だった。
c0137122_04461669.gif
そして間もなく、もう彼女の緊急バッテリーも切れて、機能停止になることを告げる。(破壊されたが故に"終わり"が早まってしまった。)
c0137122_04465284.gif
もうどうしようもないと思った「彼」は、ひとしきりの彼女のプラネタリウムの職場での思い出や、人への思い入れ、「うれしかったこと」を聞いた後に、
c0137122_04465678.gif
思いっきり、人間ならではの「嘘」を彼女につく。
「本当のことを言うとな。俺はお前を迎えに来たんだ。」
「あの壁の向こうには、お前の新しい職場がある。」
「お前の相棒の投影機も、お前の同僚も、皆そこで待っている。」
「客も満員で、お前を待っている。お前の解説をみんなで楽しみにしている。」
「・・・お前は今日から、そこで働くんだ。いつまでも。お前の好きなだけ働くことが出来るんだ。」
c0137122_04465928.gif
「・・・それはまるで、天国のようですね。」
c0137122_11120396.gif
最後のお願いを彼女は「彼」にしていた。
「私のイヤーレシーバーの後ろのスロットにメモリーカードが挿入されています。」
「私の記憶はすべてそれに記録されています。全部が素晴らしい思い出ばかりです。」
「それを新しい職場に届けていただけますか?」
c0137122_09045138.gif
「新しい筐体を用意していただければ、私はその日から業務を始められます。」
c0137122_09080437.gif
(そうやって復活できる望みがあるのだから)
「・・・ですから、本当のことを申しますと、私には天国は必要ないんです。」
「ですが、もしも、どうしても私を天国に召されるのでしたら、神様、どうかお願いです。」
「天国をふたつに分けないで下さい。」
「ロボットと人間のふたつに分けないでください。」
「私はいつまでも、いつまでも人間の皆様の・・・。」

このことは、この最後のシーンの前にすでに遡った本編中でも彼女は『お願い事』として言及している。
「天国の門は、人間とロボットに別れていたら、私はとても困ってしまいます。」
c0137122_15262768.gif
降りしきる雨が彼女の顔を伝い、泣く機能のない彼女の「涙」になっていた。
c0137122_09052117.gif
「プラネタリウムはいかがでしょう?。・・・どんな、時も。決して消える・・ことの・・な・・・い、美しい・・・・・」
c0137122_04471130.gif
彼女の声は途切れ、「ゆめみ」の瞳の光彩がそのまま色褪せる・・・。
c0137122_09053639.gif
柔らかく微笑んだまま、彼女は機能を停止した。
c0137122_04471689.gif
「彼」は、
c0137122_04471806.gif
そっと、「ゆめみ」の瞼を閉じさせた。
c0137122_04473440.gif
彼女の願い通りに、スロットからメモリーカードを抜く。
c0137122_04473799.gif
これが、彼女の記憶と思い出のすべて。「EB」とある単位は「エクサバイト」のことか。(テラバイト→ペタバイト→エクサバイト、となる。)
c0137122_04473950.gif
安らかな永遠の眠りについた「ほしのゆめみ」。(手を組ませてやっていますね。)
c0137122_04474326.gif
すべては人の感傷かもしれないが、機能停止前の彼女の言葉や思い、そして冒頭の「彼女視点のヴィジュアル」を見ても分かるように、彼女は"生きていた"。
だから、安らかな「死」も迎えた。
c0137122_04474644.gif
封印都市の外へと去っていく「彼」。そしてエンドロール。
 
エンディングの歌曲は宮沢賢治の「星めぐりの歌」が、あまりにも美しくて切ない。
c0137122_04474986.gif
取材協力に「明石市立天文科学館」のクレジット。プラネタリウムのイエナさんの姿は、明石天文科学館に常設のあの機体まんまだったものなぁ。
c0137122_04475219.gif
もう、(比較的、近隣に住んでいるくせに)20年くらい行っていないが、また行ってみたくなる。
 
エンドロールのあと、もう一幕。
おそらく、封印都市を脱出しての外の荒れ地にて。
倒れている「彼」に同業者のクズ屋が声をかける。生きているかどうかも怪しい相手だから及び腰である。
「生きてるか?。おい、お前もクズ屋か?。」
c0137122_04482097.gif
「彼」は答えた。
c0137122_04482516.gif
いや、「俺は」
「星屋(ほしや)だ。

 
それは、「ゆめみ」の意思を継ぐ決意の言葉であったのだろう。

ドラマはこうして幕を閉じる。
 
儚いほどの微かな希望を持てるような終わり方でもあり、
到底、そんな荒廃した時代になってしまっている世界では、元の彼女の再現、「新しい筐体の用意」なんて絶望的とも思える。
 
それなりの技術屋が見つけ出せるなら、少女ロボットの体は無理でも、「ほしのゆめみ」を人と会話できるような装置として「意識の復活」くらいはさせてあげれば、投影機と共に(少女の姿でなくても)コンパニオン役は出来るのじゃなかろうか。
 
少女姿の見てくれに拘らなければ回路的な復活、別の筐体での再起動は容易そうなのだが・・・。
 
ところが、私は全5話の配信版アニメの方だけを見たから、その感触から、自由な"その後の展開の妄想"も出来るわけだが、どうやらこのシリーズを1本にまとめた「劇場版」では、私の個人的な思い入れとは違う、ひとつの回答を出しちゃってるみたいな噂を聞く。
 
そっちはまだ見ていないのでなんとも言い難いのだが、
・・・つまり、
「ゆめみの願い事~天国をふたつに分けないでください」の方を成就させた形で終わっているという、そんな噂。
 
う~ん。
そういうのは、受け手側に大いなる妄想ができる余韻を与えたままの方が、個人的には感銘できるのだけどねぇ。
(どうなんだろう。)
 
「楽しい、楽しい」方向性で突っ走るアニメと違って、「深いテーマ性」の作品は、扱いが難しいね。
 
そもそも、
 
ロボットと言っても、疑似生命体扱いとかではなく、「人」の在り方を見つめるためのフィルターみたいなものである。
「物語」を通して私たちは得るものがあり、考えるキッカケをもらえる。
この物語では、
「ほしのゆめみ」はあの描写だからこそ、という感覚がある。

ただ、

人は軽いものを楽しめるコンディションや、
重いものを真摯に受け止められるコンディション。
逆に笑いも真面目も敬遠したくなるときとか、
気ままで、わがままなコンディションの時もあるからねぇ。
 
でも、客や受け取り手が「一緒に作るべきもの」があったりする。
 
「ほしのゆめみ」のようなコンパニオンがいたとしたら、彼女を困らせないような客や、世界でありたいものだ。



[PR]

インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by PINKNUT_INC | 2017-03-09 12:52 | アニメ | Comments(0)