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イヴの時間

 
イヴの時間 Are you enjoying the time of EVE ?』(イヴのじかん) 
 
2008年度のアニメーションである。
 
ふいに思い出して、夕べ見ていた。
 
名作だ。
 
あらためて見て、8年前に見た時とまた違う感慨を抱いて見入ってしまっていた。
 
1話が15分ほどのショートストーリー、連作構成で、全6話。
後年、劇場版として1本にまとめられて、1時間半ほどの作品として公開された。

でも私は、オリジナル版の構成が、BGMのまとめ方がスマートなのでOP、EDの繰り返しがあるのを承知で、むしろそれを「リズミカル」に感じて、6話構成で見る方が好きだ。

近未来の日本とおぼしき舞台で、各家庭にまで「ハウスロイド」が家事のサポーター(と言っても基本的には道具)として行き渡っている世界観のおはなし。 
頭の上に光のリングがあるのが、ロボットである。
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『イヴの時間』というのは、劇中に登場する、特異な経営スタイルの「カフェ喫茶」である。店のルールは下の画面の通り。
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ナギさん。ウェイトレスという設定。私は彼女自身が店の経営者でもあるのかなと思っていたが、もう少し奥が深いようだ。劇中にはアンドロイド混在社会のリスクに関して、直接的、あるいは婉曲に問題もあることに触れられていたが、「ファーストシーズン」と銘打たれた6話内では、背景の根深さを臭わせただけで具体的な「過去の事件」の内容に触れる描写はなかったし、謎の多いまま物語はいったん終わってしまう。
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しかし、あえて政治的な問題や社会的な問題を持ち出さなくても、このシリーズは、局所的な空間における、人々(人とアンドロイドたちなのだが)の出会いにのみ視点を絞ってうまくまとめられている。
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ロボットは道具(もの)的に扱うのが是とする基本風土と、人のカタチをしたものに感情移入する層との軋轢も描かれている。
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意図せずに、オーナーとハウスロイドが店で偶然バッタリ、というケースもある。
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その辺りの描写は、ロボットに自我があるかのような人間と変わらない所作が描かれている。
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コミュニケーションにおける危機管理なのか「はじらい」なのか、バツが悪くて逃げ出すハウスロイドとか・・・。
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そんな高性能な外見上パーフェクトにヒューマノイドしているタイプに比べて、10年と遡らない、たった8年前のロボットがこれ↓
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この旧式ロボットが「イヴの時間」に客として登場するシークェンスは、笑ってしまった。・・・ただ、その「笑い」は「哀しさ」と表裏一体の展開となるのだが。
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一応の主人公だった、リクオのピアノ演奏シーンは印象的だった。(彼は演奏会のコンクールにまでロボットが参加するような社会風土に、ちょっとスネていたのだ。)
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リクオ宅のハウスロイドであるサミィ↓が、そんなリクオを見守る眼差しは『家族』以外のなにものでもない。
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ちなみに店の客たちの左から二番目の男性は、声が杉田智和さん(ハルヒのキョン役)だった。
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ラストの第6話では、もっとも旧式なロボットとなるTHXタイプのテックスの登場が物語のまとめとなる。
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なかなかに泣けるツボもおさえてあるストーリーでした。

未見の人は、なんとか機会を得てご覧になっていただきたい。
 
率直に楽しめる作品だ。
ストーリーの緩急の付け方も巧い。

私は、↓この主役宅のハウスロイド、サミィちゃんがもし傍らにいてくれるなら、劇中で言うところの「ドリ系」(アンドロイド依存症)になる自信請け合いだ。
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サミィの声が田中理恵さんだったし。(ローゼンメイデンの水銀燈役に同じ。)
絵柄的な好みで言えば、目や口の表情付けはいいけど、女性の鼻を大きく描くのは(影付けとか)少し苦手かなぁ。正面顔で鼻の穴だけ線描写するタッチなら好きなんだけどね。
 
そっかぁ、もう8年前の作品になるのか。
 
この手の物語は、「近未来」ものとして色々なアプローチで描かれることが多いが、かつて人類が月まで有人ロケット飛ばして行って帰ってきたのは凄いが、あんまりにも巨費がかかることに対して、見返りが国家の威信や軍事上に流用出来ることが多々あることぐらいで、言ってしまえば、そっち方面(宇宙開発そのものに)は躍進はない。
 
私は、スタートレックに描かれるような世界が人類史上に訪れることはキッパリ言って「無いだろうな」と思っている。
 
それと同じくらい、人間の肉体機能を肩代わりする「義肢」とか「人工臓器」の発達は、期待できるものはあるだろうが、それは根幹に「人間」の素体が中心にあってこそだ。
攻殻機動隊のごとく最右翼のフルチューンされたサイボーグの肉体や、ましてや頭脳まで含めた「アンドロイド」そのもの、まんま人間でしかないような人造生命体のようなものをマシンで作るのは、人類が銀河系の旅をするのと同じように「金輪際やって来ない未来」だと、私はぶっちゃけると思っている。
 
もっとも、私が、なにがしらかの漫画ネタとしてストーリーを考えるなら、「宇宙もの」「異星人もの」「異世界人もの」「人外もの」「アンドロイドもの」、そして「タイムパラドックスもの」は、もっともイマジネーションを刺激されるシチュエーションとしてテーマにもプロットにもしやすい。
 
エンタメとはそれでいいのである。
 
その実、近未来の話としてイメージしやすいにもかかわらず、果てしなく遠くて、そうした世界に人類が立ち会える機会より、「あっさりと"人類が絶滅する"」方が、きっと先に来ると思えるのが、なんか寂しい。
 
異星人や魔界人、怪獣なんかとの戦いより「人類の自滅」の方が、近未来としては数万倍リアリティがある。
 
私がネガティブすぎますかね。
 
だけれど、だからこそ、エンタメのそういう話、思考的実験のストーリーものがいっそう好きなんだ。
エンタメでそういうことを考えることはとても繊細で大切なことなのだ。
 
なぜなら、
結局は、SF的なことや近未来のことを考えるのは、とりもなおさずに「今」を考えようとしていることになるのだから。 
 
物語でなにかしらポジティブな回答やテーマにたどり着くことが出来るのなら。
人は、自分たちのために、人のためにこそ「感動」しているのである。 
 


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インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by PINKNUT_INC | 2016-11-09 06:25 | アニメ | Comments(0)