ふと、思い出したりして

かなり昔の、とある雑誌社での編集さんとの話です。
編集者がこんな感想を私にこぼしていました。

「(自分の担当に)いいセンス、絵柄の新人がいるんだけど、どうもおはなし作りが分かっていない。『今日は天気が良かった。とっても気持が良い。散歩に出てみた。』、『捨て猫を拾いました。可愛いです。その仕草に夢中です。』なんていう、その先に展開していかない、オチもない、日記みたいな、なんというか、ストーリーにもなっていないような絵コンテしか持ってこない。惜しい・・・。」と。
 
「はぁ、そうですか。(でも、別に無理にドラマチックなものとか、テーマ性、メッセージ性がなくても、そういう泰然とした漫画があってもいいんじゃないのかな、と内心で思っていた私は)」適当に相づちを打っていたのですけど。

これ、今となっては気が付きますよね。
昨今の「萌え系キャラ」がぬる~く活躍するような「エッセイ・ストーリー」、「ゆるいゆるい展開」が読者にウケている、まさに、そのニュアンスのものを新人がはじめていて、ただ、早すぎたセンスを当時の担当編集者や雑誌の「色」がうけいれなかっただけのことです。

その新人は、後年、ひょっとしたら活躍したのかもしれません。
自分のスタイルを変えないで。
そういうものが受け入れられる雑誌と編集者のいる、然るべき場所で。

雑誌、編集者、漫画家、読者、これらの出会いとタイミングは大切です。
「なにごとも縁のモノです。」と仰る、正論に聞こえる、また別の編集者さんの言葉を覚えていますが、そう言ってちゃただの運まかせです。
 
作品を送り出す現場は、「否定」から始めずに、直感的に「買いかぶる」視野から始められたら素敵ですね。
 
前に、このブログでレビューしたことがありますが、アニメ『苺ましまろ』をなんとなくDVDで見返していたら、そんな昔のことを思い出してしまいました。
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まぁ、私自身はアニメ『苺ましまろ』が大好きなんですが、ドラマチックなものも勿論好きです。
 
映画『ベン・ハー』とか今でも面白いし、同じ監督作品の不朽の名作、何度見ても見飽きない名画中の名画のひとつが映画『ローマの休日』だったりしますしね。
ウィリアム・ワイラー(William Wyler)という名監督。
なんで『ローマの休日』と『ベン・ハー』という振り子の針が左右に大きく振り切れたような両方の作品を鮮やかに撮ることが出来るのか・・・。
 
凡夫からは、ひたすらの憧憬の念を抱くばかりです。
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Commented by 間地出 外吉 at 2008-05-21 11:17 x

原口先生、”ちーず”や”朝な夕なに”の路線の作品も好きですよ。また、この路線の作品にお目にかかりたく思います。
Commented by 灰塵KSR at 2008-05-22 00:23 x
間地出 外吉さんの書き込みに賛成票を1票。(^^;
Commented by PINKNUT_INC at 2008-05-22 23:29
間地出 外吉様
”ちーず”とか、”朝な夕なに”とか、懐かしいタイトルを出していただけるだけでも感慨深い。有り難う♪。
私は”ちーず”や”朝な夕なに”路線の漫画は、いつでも描けます。
但し「そういう作品を描いて下さい。載せましょう。」と、向こうから言ってくれるう雑誌や編集者がいないわけですね(笑)。
Commented by PINKNUT_INC at 2008-05-22 23:36
灰塵KSR様
ご賛同に感謝。
では、まず「そういう」作品を、こちらで仕上げて、営業しないとね。
プロットやキャラクター・デザインを見せただけでは、乗ってくれる編集部は昨今、なくなってしまった。
メガヒットのない作家だから仕方がないです。(くすん、めそめそ)

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