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「孤独のグルメ」、いまさらにハマる。


「孤独のグルメ」、いまさらながらにドラマの方から見てハマった。
 
というか、主演 松重豊(まつしげ ゆたか )さんの、あのコワもてのする顔立ちで、ああしたモノローグ進行の淡々としたドラマ。
それだからハマった感じがする。
 

松重豊さん、公称の身長が188cm。まぁ、ざっと190cm。すばらしい体格だ。
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原作は漫画。
原作・久住昌之さん、作画・谷口ジローさん。
1994年~1996年にかけて連載された作品が原点なんだから、ブレイクしたのは最近のことだと言える。ドラマ版のヒットのおかげなのかな?。こういう作品の見直され方はいいことだよね。(掲載誌を変えて現在も不定期掲載しているらしい。)

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やはり「実物の映像」は強い。いわゆる「シズル感」ってやつ。
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漫画版、谷口ジロー先生の繊細な緻密画の描写も、相当なポテンシャルなのだが、「映像」はダイレクトだものね。
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そうしてドラマヒットの最大要因は、松重豊さんの「食べっぷり」と、その「表情」の説得力でしょう。
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なんというか、横幅も大きな巨漢がモリモリ、ガツガツ食うのとはスタンスが違う。たたずまいがスマートなのである。それでいて"爽快感"のある食べっぷりなのだ。

 
私自身は本来「食べること」に興味が淡白で、味蕾も発達していないお子様口(ぐち)のままだ。
偏食家でもある。苦手が多い。(海産物に好きなものがあまりない、「にぎり寿司」、「お刺身系」が苦手、となれば、世の中の食べ物の半分以上が不得手みたいなものだ。)
まぁ、肉系やお野菜は食べる。白米大好き。麺類も好きだから、食事に困りはしない。
 
苦手系も「まったく食べられない」のではなく、トロ、サーモン、アナゴのにぎり等、食べれば「旨いな」とは思う。
でも、好物か?と聞かれたら、別に積極的に食べたくもない。
ウニやイクラははっきり駄目。イセエビやカニやフグは食べられるし、それなりに美味しいのだが世間的に歓迎されている感じほど私には嬉しいわけではない。
フォークとナイフとスプーンを使い、マナーまで強要される料理の席なんて勘弁してほしい。
箸でハンバーグや丼(どんぶり)ものでも食べてる方が気楽だしね。(スプーンやフォークも好きに使っていいのなら問題ない。箸も持ち方ひとつまで手厳しく何かを指摘されるのならほっておけと思う。)
  
ドラマ中には「くすぐり」的なジョーク・シーンもよく挿入される。「コワいタモリ」みたいなサングラスの松重豊さん(笑)。
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原作準拠の「古武道」の心得があるシーンもドラマにおいて描写された。(原作漫画とはシチュエーションがまったく違っていたが。)

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それから、上のシーンで、「主人公にアームロックを決められる役」のためだけに出てきた、酔客役のモト冬樹さんとか、下の嶋田久作さんとか、
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浅野温子さんが料理屋のおかみさん役でさりげに出てきていたり、毎話のエピソードのゲストが実に多彩だ。
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番組のおまけにはロケ現場になった実在の店に、原作者の久住氏↓が実際に訪れて、現場レポートなどもする。
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原作者の久住さんご自身は、お酒もかなりイケるわけで、漫画(ドラマ)の主人公ゴローちゃんを「下戸」設定にしたのが不思議なくらい。

でも、だからドラマ中、食の感想以外にプラスして延々と「お酒との相性」を語りだすようなシチュエーションが皆無だから、その辺はとてもスマート。
ドラマが個人経営者、営業で外回りしまくっている人が主役だからね。昼間から飲んでいたら仕事にならない。
(あと、スイーツ好きでもある。これに関しては役柄の松重豊さん自身は"甘いものが得意ではない"とのことなので、ここは役者根性の"好物そうに食べる"撮影だったんだろうな(笑)。)
これ、「お酒」をたしなむ要素も主人公に加味してたら、作劇のスタンス自体も変わっていたのかもしれないね?。 

いや、むしろ逆か。下戸設定だから生きてくることもある。
"呑んべぇ"でなければ基本入らない店、入りにくい店、下戸には見つけられないような店を、このシリーズでは下戸の皆さんにも知ってもらいたいんだと思う。
「season5」の第12話のラスト間近のシーンで、ゴローちゃんのモノローグとして明確なメッセージが語られている。
「きっといい飲み屋って、飯(めし)もすごく旨いんだ。下戸よ、尻込みするなかれ。"敵陣"にご馳走あり、だ。」と。
 
加えて、劇中主役の井之頭五郎は、なかなかの大食漢の描写。
私などは大食漢には感心する。(憧れもしないが、・・・いや、けっこう羨ましいかな?(笑)。モリモリ食えて、バリバリ行動できる人の方がポテンシャルは高いだろうからね。)
私は基本的に「量が食べられない」タイプ。
少し食いすぎると「苦しむ」タイプなのだ。
店屋もののたっぷりな量のラーメン一杯を「もてあまし気味」にしてしまうほどの胃袋なんである。
 
食べ過ぎて(他の人にはなんでもない量で)苦しむくらいなら、空腹感のままでいる方がマシという奴である。
低血糖でフラつきはじめて、ようやく食べなきゃ、という感じ。
 
こういう、"食べることに幸せを感じるキャパシティが狭い"ってのは、「とても不幸なこと」なんだろうな、と率直に思う。
 
 
その点、ゴローちゃんの劇中の「急に腹が減ってきた」という3段ズームアウトのお決まりのシーンは、カリカチュアな描写なんだけど、「食べることにシフトを入れ替える」毎回お馴染みの演出で笑える。
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「食べる」という行為が、そのまま「しあわせ」につながっていく流れは清々しい。
(漫画版では「失敗回」の描写もあるようなのだが、ドラマは実在の店をロケ地に選んでいるので、基本、「成功パターン」しか描かれない。)



私そのものは、偏食で少食。 
だから、そんな私が、いわゆる"グルメもの"には、テレビや漫画にしろ、からきし興味はなかった。
 
いかにも、という感じの「クッキングのアイデア番組や漫画」とか、「もはやバトルものと化した格闘グルメ」なんてのにはほぼ無関心。
 
「企画」としては演出的な面白さは感じるのだが、「料理の鉄人」なんて、食通の審査員が薀蓄語って、料理人、メニューの勝敗を決めるという流れは「?」だった。
本来、そういう世界に勝ち負けなんかあるハズないでしょ、と。
「食事」や「食卓」のそれぞれに滋味があって、どちらが上でも下でもなく、万人にあてはまる「結論」もないハズなんだから。
 
それにセレブや高級食材とか、こちとら無縁だし。
 
俗に言われる「頑固親父の店」とか、客がストレス感じるような空間は私は要らない。

つまり、そういう描写が前面に押し出されるような「作品」も「コンテンツ」も偏食家の私からは『ウザい』わけである。
 
それが、『孤独のグルメ』のスタンスと松重豊さんの"食べっぷり"や佇(たたず)まいを見ていると、食通ものにありがちな「ウザさ」が微塵もなくて、見ていて素直に「あ、うらやましい・・・。」と思えるのである。
そこがポイントだ。
 
あんな風に「食に感謝して」、なんでも美味しそうに食べられたら「幸せだろうなぁ」と感じるからである。
 
私の不得手な「お魚料理系」や「辛いもの」や「ちょっと得体のしれない初物(はつもの)料理」まで、ちゃんと美味しそうに活写出来てる"映像"や"劇中のモノローグ"の威力が爽やかなのだ。
「下戸設定」まで、私には好ましくなってくる。(かと言って、「呑んべぇ」な視聴者も排除されてるわけではない。呑める人ほど、あの食レポートは、「食欲」と「愛飲」を刺激されることだろう。)
 
「食に興味の薄い」私のような者まで取り込む"魔力"っぷりが、この作品の要(かなめ)なのである。
 
路地店や、商店街で普通に営業している店への賛歌が好ましいのだ。
 

下戸なんで、飲み物はジョッキでウーロン茶を飲むゴローちゃん。
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おっさんがよくやる、おしぼりで顔を拭くという行為すら自然。食事に夢中になって、暑かったり辛かったりしたら、美味しいがゆえに汗もかく。人間の自然な生理現象だ。
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あと、「BGM、音楽」の要素も場面に合わせて軽快な感触が心地よいですし。
完食する追い込み時にかかるベンチャーズっぽい曲、好きですよ(笑)。

 
このシリーズ、"気取り"も"こけおどし"も"しったかぶり"もないのがいい。
(たまには、こうるさい回もあったかな?)
 
でも、「いただきます」にはじまり、「ごちそうさまでした」で締められる行儀のよささえあれば、食べる場所はどこであろうと、たとえテイクアウトのパックに入った「アサリご飯」を事務所で食べるのであろうと、なんの衒いもない。
 

仕事をしている現代人の食卓には、こういうシーンはむしろつきものだろう。
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あと、「役者さんの本気食い」が、よく映像に収まっていた。
 
撮影前は絶食に近い形でロケに望んでいたという松重豊さん。
彼がガチ食いで、膳のものを完食するサマが好評だった。
 
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見方によってはお行儀が悪いと見なされる「かき込み鉢」飯系、おかず系の完食っぷりは、ここでは作った料理人に対する(食材や生産者に対しても勿論)賛辞と感謝の行為と言える。
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偏食の私が、「飯テロw」と思える回も何回となくあった。
 
"カツサンド"の描写はその最右翼。
サンドイッチ系は好物な私。
この回は、テレビで紹介のヴォリュームほどのものではなくても、カツサンド、「近場のでいいから、買いにいこう。」とか思いましたよ。
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シリーズ中においては、日本的な大衆食堂、庶民感覚の食事をする描写が多いのだが、国内にも外国料理の店舗はあったりするわけで「食の探求者」というか、果敢に経験もない外国料理に(飛び込みで)挑戦するサマは恐れ入る。
 
ほとんど偏食のない主人公の設定、実際、食べちゃってる役者さん、すごいわ。(原作的に、局ドラマ的にリサーチされていたとしても、すごいわ。)
ブータンのとうがらし料理の回の描写には笑いましたよ。松重豊さんが食べながら辛さに(「ぶふッ」と少しむせつつ)笑っている様子も「素」なのか「演技」なのかわかんない(笑)。(「素」にしか見えないw)。「辛い、けど。いや、美味しい!」。そしてそのまま食べきってしまうという。
私には絶対にムリ(笑)。
  
いやはや。
 
いまさらながらの(世間の話題から遅れまくった)感想記事でしたが。
ドラマは大変に好評とのことで、1シーズン12話構成くらいのものが、すでに「season5」まで続いていますね。(1話が40分~47分。「season1」は30分番組だったらしい。)
 
リアルに食べている、主役の松重豊さんも、健康管理、体格体調の維持をしながら、言ってみれば「当たり役」としてここまで立派に登板なされている。 

松重豊さんを主役にしたからこそヒットしたのだ。彼の存在感は抜群である。
別の人がこの役やっていたら、ここまでヒットしたかどうかは甚だ疑問だ。

ドラマの企画者が、主人公の立ち位置に"食のハードボイルド"的な視点をもって望んだのは慧眼である。
凡庸な作り手が製作陣の核にいたら、たんなる「バラエティ」にしてしまっていただろう。
 
普段、そういうバラエティ的なクッキング番組は見ないし、料理人ドラマも見ることもない私だけれど、このシリーズだけは全シーズン、遅れてでも自然な気分で視聴できますね。
(たぶん、繰り返し見ることも出来そう。)
 
モノローグで語る内容も、含蓄のある名言が豊富だし。
俳優、松重豊さんのファンにもなった。 
 
「season6」はあるのかな?。 
 
 
 

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