アニメ『そらのおとしもの』~第4話/「愛と三角地帯 ふたたび」のレビューです。
空飛ぶパンツたちの、原作通りの後日譚らしいです。
(※とりあえず、キャプチャー画面を並べますね。)
これからは、「スマートに」、が、私のレビューの課題だったのに・・・。
はい、並べまくります。
で、はじめに私のごく「個人的な感想」」を先に宣言させていただくと、第4話は(第2話エンディングを絶賛した私としては)あまり賞賛出来ないのであります。
・・・パンツたちが可哀想だったから・・・。
私、アニミズム(animism)信仰が少しあるのですよ。(信仰という表現はオーバーかな。自然体でそういうマインド嗜好があるということ♪。)
~万物に霊的なものが宿る、というような視点が、じつは割と好きなんです。
ですから、「万物に神が宿る」的な発想の『かみちゅ!』というアニメは、もう、こよなく愛せました。
・・・今回の「そらのおとしもの」に関しては、アニメのスタッフではなくて、原作者のスタンスがそうなのだから、「アニメの脚本内容や演出センス」には異議のはさみようがありません。
あえて、「空飛ぶパンツ」を愛しく思ってしまった私から言わせていただければ、
「それはないよ、水無月すう先生・・・。あ、あんまりだ(涙)。」
としか言いようがございません(笑)。
はい。
(こんなことを堂々と感想している私はヘンでしょうか?。いえ、だとしても、この感傷に対する非難は受け付けません(笑)。・・・素直に、そう感じてしまったのだから仕方がない。)
『そらのおとしもの』~第4話/「愛と三角地帯 ふたたび」
今日もいい天気、という爽やかな朝。
その時、智樹(ともき)が2階の窓から見たものは・・・。(ちなみに、VCの保志 総一朗さんは、私には「おねがい☆ティーチャー」~草薙桂くんとしての印象が強い。)
カラフルな団体さんが、遥か彼方の空からこちらに迫ってくる光景。
ヒッチコックの「鳥」みたいな、なんというか、羽ばたいてる!、元気よく!。少し怖い。
来る!来る!来る!、パンツだッ!。渡り鳥の群れのように女子のパンツが鳥のように!。(にしても、ここ、CGといえど、3Dレイヤーの重ね方が尋常ではないッ。圧倒的だッ。)
智樹、驚く。(事態を把握出来るハズもなく。)
智樹の部屋に飛び込んでくる、大量の「渡りパンツ」たち。
パンツに埋もれた智樹。パンツたち全てが、それぞれに動き回っている動画が凄い。
まだまだ渡りパンツたちの怒濤の帰還はつづく。
サブタイトル『愛と三角地帯ふたたび』
イカロスが言うには、あの第2話で旅立ったパンツたちが、ぐる~と地球を一周して~
「帰巣本能」よろしく、この地に帰ってきたのでは、と。
あ、この犬さんプリントのパンティは・・・。
第2話で目撃した、ガールフレンド(お隣さん)の見月そはらのプリント・パンティ。
前のエピソードで発動したプログラム・カードが、まだ智樹が持っていることで有効だったのだ!。
さらにイカロスが説明するには、パンツたちは智樹に会いにきたのでは、と。
・・・こ、これは、もう。ただの無機質ではないでしょう。薄布が羽ばたいているのではない。
智樹、思わず感動する。
「おまえたちッッ」、と、パンツたちを抱きしめる行為は自然なように思える(笑)。
頬ずりするのも顔をうずめるのも、きわめてナチュラル(笑)。
が、背後に悪寒と殺気。
気配を消して男の子の部屋に入ってくる幼馴染みの"そはら"ちゃん。右手が一閃。
必殺の空手が「女性下着に顔うずめている変態」智樹(と認識して)、天誅を下す。
"そはら"ちゃん、ここからはほとんどご乱心。
ボーイフレンドをぶっ飛ばしたのは、まだ分かるとして、「あっ」、なぜ、パンツを?。
引き裂いて引き裂いて、引き裂きまくるのですか!?。
容赦なし。羽ばたいて飛んでいるパンツたちを「惨殺拳」で片っ端から粉砕。・・・なぜ、「生きているかのようなパンツ」の情景に驚く過程を省いて、粉砕スイッチが入るのかがワカラナイ。
そこには、そはら自身が履いていたパンツの屍が・・・。ご主人様に殺されたパンツ。
これは、主人公といえど泣かずにはいられない哀れな光景。「なんて、ひどいことをッ。」
「見ろッ、そはら!。このパンツの亡骸たちをッ。こいつらの輝かしい未来をお前は奪ったんだぞッ。」めずらしく、智樹の台詞が正論に聞こえる。イカロス~「いえ、マスター。ただ、単にカードの効力が切れただけです。」
(ねぇ、女子って、自分の身につけるもの、ましてやかわいい下着とかに、もっと愛着があるものではないの?。)
ボーイフレンドの痴態に憤るのも理解出来るが、なんで、このシーンで彼女がパンツを八つ裂きにしたのかが分からないよ私(泣)。見知らない女性の下着ばかりならともかく、~混じっているのは確かだが(笑)、ほとんどが「そはらが試し履きをして逃げられたパンツばかり」なんだよ・・・。言わば彼女自身のパンツたちなのに。
そもそも「どうして私のパンツが智ちゃんの部屋に大量にあるのッ?」とそはらは最初に言っているんだよ。自分の物だって認めているんだよ。・・・なんで「殺す」の?。
とにかく、とりあえず智樹には鉄拳制裁のそはらちゃん。
で、もっと分からないのが、そこまで潔癖性なら、渡り帰還したパンツを徹底的に全て処分するか、そはら自身でかき集めて、智樹から生き残っている(今は、プログラムは無効化しているので飛ばないし、動かない)パンツを奪い取って自身の手元に引き取るべきなんだよ。・・・それを「あと始末」を智樹にまかせてしまっていることだ。
(ことエロに関しては)彼を微塵も信用していないのに。
と、まぁ、あれこれあった騒ぎのあと。
お年頃の女性のパンツに対して、思春期の男子なら「こんな素敵アイテム、捨てるものか!」と言い切っている智樹です。
『疑似生命活動』を終えたにしても、パンツはパンツですから。
・・・この薄布は、魅惑的ですよ。
手放せるハズがない。
が、なぜかパンツが閃光とともに、
爆発した。
家屋の窓まで吹き飛ばす威力。
それを「してやったり」で眺めているお隣のそはら。「爆発するから、パンツ。」
イカロスのプログラム・カードを利用して、智樹が見たパンツは全て爆発するのだとか。
変態ボーイフレンドの懲らしめにやったことなんだろうが、これも不可解(笑)。なぜ爆発(笑)。
すかさず、機転の利く智樹の報復。「待て!、そはら。・・・おまえの部屋の壁に、なんかでっかい虫がとまっているぞ。」
「えっ」
「ウソ!、どこどこ?。」
「ね~、智ちゃん?。」
はっ、と奸計に気が付いたときには遅い。思わず生パンツを窓越しに見せたそはら。
智樹に目撃されたことで、見事に爆発しました。着用中パンツが。
(1枚のパンツの爆発が相当な威力がある。・・・彼女の中身は大丈夫なのだろうか?。)
さて、おはなし自体は、爆発するパンツに囲まれて、自宅軟禁状態の智樹を放っておいて、そはらはイカロスを連れ出してショッピングに。
「そはらめ~。
【見たい、嗅ぎたい、被りたい】の思春期に、なんて恐ろしい真似を・・・!。」
残された智樹は、自らが昨夜のうちにデコレーションしたパンツ飾りの自宅で立ち往生。
見たら爆発する。
じゃ、目隠しすれば楽勝。
触れただけでも爆発します。
室内からの脱出がムリなら窓から!、と言っても、既に庭も自分が昨夜にパンツ屋敷に。
一服しようとして入ったトイレにも「う×ち」の形にこんもりとパンツ。
そんな顔しても遅い。
トイレの外壁を突き破る大爆発。
かたや、ショッピング中の女の子たち。そはらがイカロスに下着を見立てている。
このシーンは、さりげに良い♪。
豊満な胸の女子が、自分のバストをブラにどうやってしまいこむのか。
とても丁寧に描写しています。
さて、パーラーでデザートなど。「ミックス・パフェ」ですね。
美味しそうに食べているイカロスですが、アンドロイドの彼女の普段の生活感に関しては、これので描写されていなかったから、食事行為が不思議に見える。
一方、派手に炎上中の智樹宅。基本的に田園風景の中の住宅です。
脱出を謀る智樹。壁には「爆弾プログラム」を発動される前に飾ったパンツ群。
爆発に次ぐ爆発の中を噴煙突破する智樹。玄関に猛進。
と、買い物からイカロスと帰ってきたそはらと激突。そのまま、彼女を勢いで押し倒す。
気が付くと彼女の股間に顔を埋めている智樹。
もの凄い体勢です。
この構図はアブナイ。
18禁アニメのアングルです。
でも、もっと危ないのが「爆発」フラグ。
また、彼女の着用中パンツが爆発しました。
このあと、しばし暗転。
智樹は意識を失っていたが、さっきの(そはら着用中パンツ)爆発で、彼女は玄関先から家の中に吹き飛ばされたようである。(どう考えても、玄関と反対側に押し倒された彼女が、反転して智樹の家の方向に吹き飛ばされる理屈が分からんが・・・。)
とにかく、まだ炎上中の自宅から彼女を救い出しに向かった智樹は、自分の部屋のお宝コレクションを発見遭遇している現場に立ち会ってしまう。
呆けた表情の彼女が、なんとも・・・。
まぁ、年頃の男の子の部屋で、1冊や2冊のH本を見つけて引く女性も今頃いないでしょうが、量が異常だと呆けます。
そのお宝本の収納場所には、イカロスのカードを使った智樹のトラップが。
超絶合体パンツロボ!。
そはら、ロボにつかまる。
ロボ怪力。(そはら、パンツ履いていない。危ない。)
自らの仕掛けたお宝ガーディアンとの対決の火ぶたが切り落とされる。
智樹、とーとつな2枚目「戦闘者モード」に。
アクション・アニメ・ヒーロー化。
ムダに動く動く、不毛な対戦シーン。それを見守るヒロインの姿もムダに感動的。
なぜかロボにフェードインする主人公。飛び散るパンツ。
パンツロボと合体の智樹。何が起きるというのだ?。
閃光とともに爆発です。
住宅完全炎上。
外で見守っていた、イカロスや先輩たち。ご近所さんも・・・。
「あ・・・、マスター。」
彼は彼女を守り抜いた。
そはら「助けてくれたんだね。」
「そはら・・・。」
ひとつの戦いが終わった。(焼けて散っていったエロ本たち。)
「・・・・・・・・!」
そはら太もも・・・。
あ・・・、こんな描写が「シティーハンター」以外のアニメで許されていいのでしょうか。
ど~すんのよ?、このあと始末。
エンディング曲は映画『野生の証明』の主題歌だったし・・・。
エンド・クレジットにオーバーラップして消えていくのは、(ほとんど無益な戦いによって)犠牲になって散っていった、エッチな本たちの、オリジナル表紙のオンパレードだったし・・・。
そらのおとしもの 第4話エンディング
困ったものです(笑)。
なんにしても、「疑似生命活動」を終えたパンツも哀れだったし、ただの布きれに戻ることも許されず、無機質になって尚、さらに『爆弾』プログラムを組み込まれたパンツたちは可哀想だった。
H本も同様で、まぁ、H本に限らず、雑誌とかが雨に打たれて路上に捨てられたりしていても、私なんかは憐れみを覚えるし、一抹の侘びしさを感じるものだ。
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と、なれば。私はここで思う。
羽ばたいていたパンツというのは、イカロスに重ね合わせずにはいられない。
それはムリがある解釈だろうか?。
アニメスタッフも原作者も実は確信犯的に、それをやっている気はする。
そうしたことが、この作品の劇中(第3話)でメガネの先輩がイカロスに言った台詞、「智樹のそばで、ただ楽しめばいい。別れの日が永遠に来ないことを祈りながらな。」とイカロスの存在そのものに対して、不吉なことを暗示している。(愛玩用ではなく、軍事レベルを凌駕するイカロスの能力に疑念を抱いているのだ、先輩は。)
アンドロイドのイカロスも、人格や心までもがありそうで、限りなく無機質と同等な存在ではある。
彼女も仮初めの命なら、プログラムや効力が切れた時、全てが「無」に帰すのだろうか。
でも、それを言うなら、広義な意味で、生きとし生けるもの、人間もまた同じなのだ。
映画「ブレードランナー」のラストのナレーションでレプリカントたちの苦悩と人の苦悩が、存在という意味において同義だという名言に収斂する真理なのである。
どんな命も、決して「仮初め」なんかではない。
この、おバカなアニメ、「鬱」な材料はバカ騒ぎの中でいっぱいにちりばめられている。
冷酷なプログラムが発動すれば、イカロスは悪魔の杖にもなる(ハズ)。
そんな予感を孕んでかどうだか、時々、ドライに感じすぎて、突き放した演出が目立つのは割り引いても気になる。
違和感が残る。
何か、イヤな暗示を含んでさえ尚、「智樹」や「そはら」といった主要キャラには、バカ・スイッチだけでなく、もう少し細やかな愛情も(ルーティンな演出ではなく)、描写の機微に感じさせて欲しい気はする。
ハンドリングが危うい。
笑い飛ばしておいていいシーンやシチュエーションが、妙に笑えなかったりするのは私だけだろうか?。
パンツを殺人チョップで破る「そはらちゃん」にはデリカシーが感じられません(笑)。
(いや、中身の方が次元違いに大切なのは、よく分かっていますが・・・。)