『火垂るの墓』

『火垂るの墓』、またテレビでやっていましたね。

・・・繰り返しこの時期にテレビ放送されますが、長らくず~っとスルーしていました。
 
というのも、『となりのトトロ』と一緒に公開された当時に『火垂るの墓』を私は見ています。
そして、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」でした。
 
そのあと、当時は(DVDのないその頃は、LD~レーザーディスクの普及版や愛蔵版まで買って~)2~3度繰り返して見たのですが、以降、20年近くまともに見直していません。
 
それが、つい一昨日の放送時には、見てしまいました。
久しぶりに。

既に内容を熟知しているので、冒頭の(あの転がったドロップの缶の辺り)蛍火の中で節子が登場するシーンで、・・・もう、ダメです。
 
・・・サントラの戦慄の美しさと儚さが、このシーンにおいて、尚いっそう胸を打ちます。
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なぜ、最初の鑑賞時から20年近くも見ていなかったって?。
 
理由は、やっぱり、あまりにも辛いからです。(それに、忘れようもなかった映像だったから。)
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アニメの「チカラ」というか。
子役の声優の演技。
キャラクターデザイン・作画監督:近藤喜文 さんの仕事の凄み。

(当時、高畑勲さんと宮崎駿さんが、自分の映画の班に是非とも欲しがる最強戦力"才人"であったアニメーターです。後年、『耳をすませば』の監督をされましたが、『火垂るの墓』から約10年後、『耳をすませば』の公開からは3年後、『もののけ姫』の作画監督の僅か1年後に、47歳の若さで故人となられています。)
   
で、今回は20年近くぶりに、とうとう最後まで見てしまいました。
 
当時もラストシーンでドキリとしたのですが・・・・、
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最後、丘の上から清太(せいた)と節子(せつこ)の魂が寄り添って見つめている町並みは戦争があった当時の情景ではなく、ビル群の建ち並ぶ「現代」になっていましたね。
 
・・・清太と節子の魂が安らぎを得るための答えを、今も、まだ私たちに問いかけています。
  
人の心に楔(くさび)を打ち込む映画というのは、こういう映画のことです。
 
人それぞれの見方や意見は違うでしょうが、ちょっと、比較出来る映像作品が私には思い浮かびません。
  
私は『火垂るの墓』の舞台になった神戸に、お爺様の代から住んでいます。
芦屋、夙川あたりの景色、海岸、あんな「壕」があったであろう風景も思い当たります。(さすがに今は、もう、そうした面影も薄まりましたが。)

・・・私の身内には、あの「神戸大空襲」を経験している年寄りもいます。焼夷弾の描写や、町に転がる焼死体の話はリアルに聞いた記憶があります。
 
・・・そして、『火垂るの墓』を、また私は当分は見ません。
(妙なことを言うようですが・・・。)
 
だって、もう、心に刻まれているからです。 
     
 
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インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by PINKNUT_INC | 2009-08-16 08:58 | Comments(8)

Commented by よろづ屋TOM at 2009-08-16 14:46 x
人それぞれといえば、この作品が世界公開されて間もない頃のこと。
その頃私は韓国語を勉強していたのでたまたま知ったのですが、韓国の一部のメディアがこの作品を指して「日本人だけが被害者のように描かれている」同情を買うお涙頂戴の映画だ…という批判がなされていたことがあります。
まだ当時の韓国は、国内での日本文化を開放してなかった(アングラ的にはむしろ真逆だった事は現在の韓国を観れば分かりますが)ために、あえて目の仇にしていたという傾向もあるんですが、哀しかったですね。

近藤喜文さんは私にとってはやはり『赤毛のアン』。彼が健在だったら二人の御大もとっくに隠居できただろうに…とは事情通の私の友人の言です。
話は変わりますが、先日金田伊功さんも57歳で亡くなられましたね。やはりこういう業界の苛烈な環境のせいだろうかと思わずにいられません。
先生もお身体お大事に。
Commented by PINKNUT_INC at 2009-08-16 23:51
よろづ屋TOM 様
いらっしゃいませ♪
ははぁ、ナショナリズムの話は私はノーコメントです(笑)。
狡くてすみません。(触れるとどツボになる話題だから。)
 
ただ、戦時下の日本人にも、ジャズを愛し、アメリカ映画や俳優、女優に憧れていた人はたくさんいます。
 
そういうことだと思います。
 
TOMさんのコメントで思い返せば、そういや私たちファンにとって、思い入れ浅からぬ人たちの悲しい報せが最近、続きますね。
 
その並びで、健康祈願していただけるほどの「私」ではございません(笑)。ともあれ、どうも有り難うございます。
     
訃報を知って、皆に悲しんでもらえる人、ショックを受けられる方が多い人は、素晴らしい仕事をして、立派に生きた人々だと思います。(ただ、あまりにも残念!。その才能豊かさがゆえに、仕事を中断されるには早すぎる人ばかりだから・・・。) 
Commented by 間地出 外吉 at 2009-08-17 18:45 x
戦時中の神戸というと、「アドルフに告ぐ」や、「新耳袋」の”件”も思い出される私です。
Commented by PINKNUT_INC at 2009-08-17 23:16
間地出 外吉 様
いらっしゃいませ♪
「新耳袋」の件は以前にも「どういう話?」と議論になったことがありますが、神戸というより、正確に言うと、戦時下の芦屋のお屋敷が舞台の話で、小松左京氏の恐怖短編『くだんの母』が軸になっているのではないでしょうか。
・・・あれはね、怖い小説ですよ。
先日に記事にした筒井康隆氏が責任編纂したアンソロジー、「異形の白昼」に曽野綾子さん『長く暗い冬』と共に載っています。
 
暑い夏、アンソロジー「異形の白昼」を未読の方は、ぜひ読んでみてください。
背筋が寒くなること請け合いです。
Commented by 間地出 外吉 at 2009-08-18 00:43 x
原口先生へ
とりあえず、神戸市内の山の手の坂道で、道端にうずくまる和服姿の女性を見かけても、決して声を掛けずにそのまま素通りされますように。
「新耳袋」、角川文庫から全10巻が刊行されておりますので、」是非ご一読を。
Commented by PINKNUT_INC at 2009-08-18 03:26
間地出 外吉 様
いらっしゃいませ♪
あれ?
「くだん」「牛」の話ではない?。
「うずくまるもの」というタイトルだと以前に教えていただきましたっけ?。
  
・・・う~ん。
不明だから、読んでみるしかないかしらん。
Commented by 間地出 外吉 at 2009-08-18 15:01 x
えっとですね、「新耳袋」では、神戸のそれはわざと正体をぼかしています。目撃者がその正体について言及すると、本人も含めて災難がふりかかった様なので。
それはともかく、「新耳袋」は面白いですよ。昔の怪談と違い、因果も無く理不尽かつ唐突に怪異に会う処、妙にリアリティを感じます。
Commented by PINKNUT_INC at 2009-08-18 20:57
間地出 外吉 様
いらっしゃいませ♪
「新耳袋」は、情報をかいつまむと、原典になる話をアレンジした怪奇譚集、新しいスタイルで読ませる「怖い話」のようですね。
ぜひ、拝読してみたいと思います。

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