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CLANNAD ~After Story~ 『第18話~大地のはて』

CLANNAD ~After Story~ 『第18話~大地のはて』
      
前回のレビュー(第17話)からの続きである。 
このシリーズのクライマックスは、ここに来た。
    
この第18話には、ムダなものが1ショットたりとも無い。
だから、
もっと詳しいレビューは、私のホムペ「私感、雑感」に移行しておく。
                 
ブログの方は、一部のみ紹介しましょう。
  
この回は、既にこれまでのストーリーを牽引してきた「声優陣の力量の凄さ」にあらためて感心させられる。
(「汐」役のこおろぎさとみさんに至っては、やはり神憑りであります。) 
   
前回までに何度も書いたが、
CLANNAD ~After Story~ 『第18話~大地のはて』は、奇蹟の回である。
 
とりわけ、視聴者が心を震わされたシーンはここだろう。
(私は、この話数、もう序盤の方から泣けて仕方なかったんですけどね(笑)。) 

「ずっと、捜していたのか?。」
「・・・うん・・・。」
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「そうか・・・。」
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そう言いながら、朋也はあの日の父の姿を思いだしていた。
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子供と同じ目線。
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その位置まで、はじめて朋也は汐との距離を縮める。汐も「はっ」となる。
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「汐・・・、あのロボット・・・な。(もう)見つからないかもしれない。仕方ないんだ。・・・だから、また新しいのを買おう。な。」
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汐は、小さな拳でスカートを握りしめながら、しかし、しっかりと答えた。
「あれ、ひとつだけだから・・・。」
「?・・・。売店にたくさん売ってたろ?。」 
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「・・・選んでくれて、買ってくれたものだから!。」
「え?。」
「はじめて・・・、パパが!。」
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汐のその言葉に「はっ」となる朋也。(ここからBGMが入る)
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汐の言葉の重さ、思いの重大さに一瞬、視線を落とすしかない朋也パパ。
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「・・・汐、淋しかったか・・・?。」
「・・・うん。」
「俺なんかと旅行して楽しかったか?。」
「・・・うん!。」
「・・そっか・・。・・・汐。・・・オレ、側にいてもいいかな?。・・・ずっと、長いことダメなパパだったけどさ。」
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「これからは汐のために頑張るからっ。だから、側にいてもいいかな?。」 
汐は「うん、側にいて欲しい。」と答える。
 
「・・・でも、今日は大切なもの(パパに買って貰ったロボットを)なくしたから悲しい。・・・パパ、あのね。・・・もう、ね。ガマンしなくていい?。」
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「早苗さんが言ってた。・・・泣いていいのは、おトイレか、」
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「パパの"むね"の中だって・・・!。」
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朋也ははっきりと悟る。大きく頷く。「うん!、うん!。」
汐は、なくしたオモチャの事だけを言っているのではない。
今こそパパを確かめたかったのだ。
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朋也に駆け寄り抱きつく汐!。
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耐えて耐えて、抑え続けていたものが弾ける。
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ひきつけるような小さな嗚咽が、泣き声になる。
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朋也が小さな身体を強く抱きしめる。この父娘は、今、本当の固い絆を結んだ。
・・・いや、「深くて固い絆」があることを、ようやく理解したのだ。
5年もかけて、はじめてひとつになる父娘。
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熱い涙と、大きな泣き声、
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それは、今、この時だけの感傷ではなくて、汐の幼い魂一生分の、これまでの「涙」全てだった。
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「悲しいこと、淋しいこと、辛いこと」今までの全てが溢れ出した涙だった。
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夕日の中で、今、確かな絆に抱かれて、「(早苗さんの言っていた)泣いてもいい場所」で思いっきり泣くことが出来た。朋也は今、5年分の汐の思いを抱きしめていた。
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・・・この「おトイレのショット」と「花畑の夕日」のショットを続けて重ねている絵は、私たちを打ち震わせる。

悲しくて悲しくて、そして喜びで「目が溶けてしまいそうなほど熱い涙」だった。
 
それにしても、
つくづく、朋也と祖母・史乃を引き合わせて、父・直幸への(朋也の)頑なな拒絶心を解くきっかけを用意していた「早苗さん」という女性は凄い。
 
渚の母・早苗さんが、この日のお膳立てをしてくれていた。

・・・それらはある種、あやうい「賭け」でもあったろうが、大事な家族である『朋也を信じる心』の方が「早苗さん」にとっての確信でもあったのだろう。
 
父娘は、旅の帰途、こんなシーンでより深く結び合う。

小さな手が朋也の腕を掴む。
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パパの様子を、娘・汐は敏感に悟っていた。
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・・・もらい泣きなんてものではない。
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「なんだ、お前まで。」
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「悪かったな。ちょっと、ママのことを思いだしたんだ。」
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愛娘の涙を手でぬぐったパパは、「よし、じゃあ、(ママの)話の続きだ。」
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そう言いながら汐と手を繋ぐ。『渚、見つけたよ。・・・やっと、見つけたんだ。』
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『俺にしか守れないもの。』
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『俺にしか守れない、かけがえのないもの。』 
愛娘と手を繋いだ朋也の前に、ママ・渚も戻ってきていた。
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本当は、いつも側にいた。
「絆」は簡単に生まれたり消えたりするものではない。
気づけるか、気づけないでいるかだけなのだ。
 
笑顔は、いつもそこにある。
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(『俺にしか守れない、かけがえのないもの。』)
『・・・それは、・・・ここに、あった。』
 
            
アニメ『CLANNAD ~After Story~』 第18話は、この物語のクライマックスで、大きな成就地点だった。
 
泣くこと=感動という単純な図式ではないし、まぁ、最近話題の脳科学的には「歳をとるほど涙もろくなる」ということらしいから、全ての視聴者に当てはまることではないのだろうが。

それでも、私は号泣した。
 
それが、私の「(涙もろくなった)老化現象のせい」だとは誰にも言わせない!(笑)。

少しでも、不快な不協和音の混じる、「小手先の泣ける話的」な作劇には私の心は微塵も動かず、シナリオライターや演出陣の欺瞞ぶり、稚拙さに苛立ちさえ感じてしまう。
 
だが、この作品、この話数は特別なステージにある「珠玉」だ。
少なくとも、この第18話までに至るまでのストーリーの流れと、この話数の「奇蹟の演出」、「絵」、「音楽」、「声優陣のチカラ」はMAXに結実している!。
 
「本物」だ。
 
で、私の個人的な感想だが、『CLANNAD ~After Story~』は事実上、次の「第19話/家路」と次々回「第20話/渚の戯れ」で完結している。 
 
「第20話」のラスト~次回に続くくだりとして、不安な材料を提供する辺りから以降、最終話の第22話、番外編・第23話はなくてもいいのだが(笑)。

これは暴論ですか(笑)。

※「町」、「幻想世界の少女」、「この世はハーブで満ちている」、そうした事象やキーワードを描き込んできたのだから、その回答があるべきなので、原作通りのトゥルーエンドを立派に描ききったのですが。 
 
この事については、また機会をあらためて書きましょう。(たぶん、私のホムペ「私感、雑感」で。)
精査すると、アニメ流の解釈を加えたエンディングには感心するポイントもある。
 
そこで、私の「物語論」を少し披露します。
            
ともあれ、
私は『CLANNAD ~After Story~』の「第14話~第20話」まで辺りは、本当に繰り返して、よく見ています(笑)。
  
名作です。
                          
 

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