CLANNAD ~After Story~ 『第17話』

CLANNAD ~After Story~ 『第17話~夏時間』
     
思い入れながら、この作品を見ていた視聴者としては、CLANNAD ~After Story~ 『第16話~白い闇』で、いったん奈落の底に突き落とされた。
 
はい、時期外れですが、ずいぶん遅れて、作品感想です。
  
アバン(導入部)で、前話における「妻、渚(なぎさ)の出産直後の死」のショックから立ち直れず、荒みきった朋也(ともや)の生活が描かれる。
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故意に破られた表札・・・。
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(若い夫婦が人生の希望に満ちあふれていた渚の妊娠期、本来は、こうだった、手書きの表札) ↓
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タイトルに入って、一転、渚の母「早苗(さなえ)」さんのアプローチが凄い。
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愛娘を失ったショック度は朋也以上のものがあるだろうに、凄い女性だ。
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あとの話数で、早苗さんのもの凄さは慈母観音のように感じる事になる・・・。
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ただ、この時は、早苗さんの強引さに朋也も閉口、苦笑する。
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とにかく、朋也を無理矢理に誘い出して、
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父親であることを半ば放棄していた朋也を、娘、汐(うしお)と引き合わせる。
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・・・実は、前話の流れから、渚と瓜二(うりふた)つの、「汐」5歳の姿をヴィジュアルで見たこの瞬間に、私などはウルウルときてしまったものだ。
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なのに、なに?。5年間も育児放棄していた朋也の、この目線は(汗)。
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ともあれ、「汐」の祖父母、早苗夫婦の策略によってふたりっきりにさせられた朋也は、ひとまず、汐の昼食の面倒をみる。
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この汐ちゃんの、お食事「手のひら」は、幼児が本当にやる。
(この辺の描写は、あきらかに子持ちのスタッフの観察が生かされている?。)
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でも味は、朋也の目線そのままに、それは幼児に合わせたものではなかった。
「にがい・・・」。ガーリックのせいだった。汐には美味しくない。
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こんな時に、白いご飯があれば、「ふりかけ」だけで食べられる。
(これも幼児が、そのまんまの偏食を、本当にある時期よくやる。)
もっとも、この場合は我が儘ではなく、汐の「智恵」だった。
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そんなこんながありつつも、噛み合わないままの「ふたりっきりの父娘」が、こんな状態のままで「旅行」に出かける。
それは、早苗さん夫婦と4人で出かけるハズだったもので、汐が楽しみにしていたイベントだった。
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どんなに朋也が素っ気なくしても、素っ気なくしきれない彼の何気ない一挙一動に向けて、汐は懸命の(パパに甘えたい)オーラを発散しているのだが、この17話では抑えに抑えている。
抑えているどころか、『男の子みたいだな・・・』と朋也が思うくらいに、これは、まぁ、どこかで朋也似な汐の資質がそうさせているのだが、本心は包み隠されている。
いや、汐自身にも本当に自分がどうしたいのか「朋也以上に戸惑っているし、わかっていないんだろうなぁ。」と、この話の時点では思えた。
 
ところが、である。次の話数で、小さな汐の大きな心の揺れが何を渇望していたか、ごく当たり前の答えが明確になって、私たちの心まで震えてしまうのだ。
 
・・・その甘えたいオーラが、狂おしいほどに強く、どれほど切ないものだったのかを次の第18話が(行間を読ませるという点において、テレビアニメ史上、神業に等しいほどの)奇蹟のような演出力を魅せる。
 
ともあれ、抑えきれない「期待と喜び」が、この17話のラストで、
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とたとた小さな歩幅で歩く汐が、(隣りを歩く朋也は素っ気ない態度のままなのに)
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やがて「スキップ」になるという演出。
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それが、そのまんま、これまでの全話数でエンディングの導入部となっていた「女の子の元気なスキップ」にそのまま繋がるという、最初っからスタッフが用意していたレイアウトにハマるあたりは、お見事としか言いようがない。
(余談ながら、当初、このエンディングの女の子の「スカート跳ね上げる歩き動画」を、渚か、誰か他の高校生ヒロインたちのものだと勘違いしていた視聴者もいらしたようだ。・・・かく言う私も、最初数話は幼児の足元なんだとは気が付かなかったクチである(笑)。)
 
「CLANNAD ~After Story~」という作品の核心とクライマックスは、第16話~第19話で成就している。
(ひたすら愛らしい「第20話」もおくづけとしてプラスしていいかな。)
 
では、原作ゲームの「マルチ・エンディングというゲーム・シナリオ」を逆手に取ったような21話と22話「最終話」が、ハッピーエンドのための予定調和だったか、どうなのかという真の意味合いついては別の機会に触れましょう。
(ここを深読みすると、ドラマ全体の終わり方の大団円とはうらはらの「残酷な可能性・・・むしろ、ある意味の真理」、私たちの人生にも寄り添っているであろう「何か」に慄然とすることになるのです・・・。)
 
なにはさておき、テレビアニメ史上、「奇蹟の回~第18話『大地のはて』」については、次回に語りましょう。              
             
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Commented by sarukani at 2009-05-31 22:14 x
あれから、随分経ってしまいましたね(^^)
確かにゲーム原作ならでわの演出。
アニメは一週間のブランクがあるから、何とも不思議で、
視聴者のダメージがその間、回復しないという(苦笑)。
Commented by PINKNUT_INC at 2009-06-01 07:58
sarukani 様
まったく仰るとおり(笑)。
「京アニ」と「Key」のコラボ作品で、私が最初に見たのは「AIR」でした。
まさしく、ダメージをくらいました(笑)。
 
アニメ「AIR」やアニメ「Kanon2006」の導入部の巧さが際立っていたので、じつは「CLANNAD」は第1期の第1話から数話くらいまでは、「?」と思ったくらいでした。・・・が、後の話数でだんだんハマりました。
 
そして、
「CLANNAD ~After Story~」は最初っから20話目まで、とにかく凄かったです。
15話~20話は特に素晴らしい。
 
ただ、21話、22話、そして23話や総集編の24話に関しては、みなさん色々な感想をお持ちだろうと思います。
あの変則的な(たぶん原作通りの)大団円(?)が意味するものに、後日、私なりの感想を書きたいと思います。(書く書くと言い続けているので。別に誰も待っていないのだが(笑)。)
Commented by himedragon at 2009-06-04 21:47
先日行われたイベントで石原監督が言ってましたが、
汐のスキップのシーンは、コンテを上げる30分前に思いついたんだそうですよ。
てっきり最初から狙ってたのかと思ってましたが、
それまで本編と繋げる事は全く考えて無かったそうです。
Commented by PINKNUT_INC at 2009-06-07 23:51
himedragon 様
いらっしゃいませ。
貴重なニュースを有り難うございます♪。
こういう情報にはお詳しいですね。
成る程、えてして傑作の誕生する現場ってのは、そういうものなのかもしれませんね。
そういう話を伺うと、ますます感心してしまいます!。
興味深い情報、サンクスでありますッ!。

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