アニメのセル画

「アニメのセル画」ってのは事実上、製作現場では、もう滅んでいるのでしょうね。
 
今のほとんどのアニメは、デジタルで彩色、撮影されているハズだ。
  
珍しいものが出てきた。
「銀河鉄道999」のセル画だね。
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セル画の裏側はこんな感じ。(塗料保護の薄紙が経年で貼り付いて剥がせなかった・・・。)
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ちなみに、こんなメインキャラの見事なショットの「本物のセル画」なんて普通に手に入るわけはない。これらのセル画は、アニメ撮影や宣材に使用された「本物」ではなく、私が大昔にファン心理から描いたものである。
 
セル画の塗料をひと揃い買って、金属タップ(セルと原画、動画を重ねて固定する道具)も買い、タップ穴の空いたセルも買ってきて、色々なアニメを自分で模写していた。
模写用の原画は、何かお手本を見ながら適当にレイアウトして、これも自分で描いている。
 
漫画家になる前の(10代半ば頃だったかしら。中学生や高校生頃?)素人の遊びだった。
 
投稿用の漫画も描いていたが、アニメも同時に好きで、こんな遊びをしていた。
アクリルカラー塗料のセットなんて、結構、当時としてはひと揃い買うのは大出費だった。

これは、「撮影に使われた本物」だ。(入手した経緯を忘れた)
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「母をたずねて三千里」のマルコ少年。
  
「アルプスの少女ハイジ」あたりから始まって、あの頃の「名作アニメ・シリーズ」って「赤毛のアン」頃まで結構好きだった。
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このハイジとクララは、レコードのジャケットかなんかを見て自分で描いた。
このシーンのハイジの洋服は、本当は明るい黄色を塗らなければならなかったのだが、塗料が切れていて、クララの髪と同じ黄色を使うのもヘンだから赤く塗った。
・・・今、見るとヘンだ(笑)。
 
ツルツルの透明セルに、「つけペンでトレースする」というのは、かなり技術が要る。
下手は下手なままの仕上げになる。
 
そのトレースしたセルの線画のウラから塗料を塗るのだが、こちらは水彩や油絵のような絵の具の塗り方ではなく、専用のアクリル塗料を贅沢に「のせて延ばしながら色分けする」というような塗り方だ。
アニメ塗料の乾きは早いような遅いような・・・。
で、ひとつの色が乾いたら、隣接する場所に他の色を塗っても決して混じったりしない仕組みである。
     
ある時期から、職人技の必要だった「セルの線画トレース」が、鉛筆画の原画を、何かの転写機械を通せば、鉛筆画をセルに転写してくれるようになって、「つけペン」を扱う職人芸から解放された。
これは、原画家、動画家の線画を転写してくれるので、より作家の元絵を反映してくれる。
 
しかし、色塗りはまだアクリル塗料でちまちまと家内手工業。
       
それが、今頃は、もう彩色までパソコンで全部出来る。
 
アニメ会社には、プロ仕様のプログラム・ソフトがあるんだろうなぁ。
       
デジタルになると、エフェクトはさらに高精度で凝ったものになって、もはやアナログの透明セル画の出番はなくなった。
 
きっと、販売グッズやマニア用に、セル画は塗られたり、印刷されたりしているんだろうね。
アクリル塗料は水性だけれど、独特な臭いがする。
   
アニメ製作の現場からは、絵の具の臭いが消えつつある。
(背景とかの美術は、まだまだ筆塗りなのかな?。それとも、これもデジタルが増えているのだろうか?。)     
             
自分にとってフェバリット・アニメのセル画なんかが手には入ったら、けっこうお宝なのである。              
私は「お手本」や「資料」があれば自分で描けるが(基本、「絵が描ける人」なら誰でもそれなりに描けます)、こういうものは自分で描いてもつまらない。
                      
やっぱり、プロや本家のスタジオのスタッフが制作したものや、アニメ作家さんが直接に描いたものが値打ちがある。   
         
「ジブリ」や「京アニ」のセル画とか、背景画とか欲しいけれど、今やポスター用にもデジタルで描くのだろうから、セル画は存在しないのだろうな。                                            
アニメはセル画もいいけれど、とりわけ『美術』、・・・描写の卓越した「凄い描写の背景画」は、猛烈に欲しいものばかりである。          
               
ああいう「絵」こそ、額装して自宅に飾りたいものだ。
                                            
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Commented by cyah at 2008-12-13 12:36 x
今私の手元にあるのは「ガオガイガー」のセル画(原画付き)くらいですね。(LD全巻購入特典だったのですが。)
昔は手塚先生の作品のセル画を2点ほど所持していたのですが、引っ越しのどさくさでどこかへ消えてしまいました。今考えてももったいないです。
話は変わりますが、背景に関しては今でも手書きが大半ではないかと思います。(それをスキャナを使って、取り込んでいるのではないかと思います。)まぁ、メカ関係はほとんど3DのCGに置き換えられてしまったみたいな感じですね。
Commented at 2008-12-13 12:41 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 灰塵KSR at 2008-12-13 21:18 x
中学生のころでしたが、旧友が知り合いからもらったという
セル画を見せてもらったことがあります。
当時「ヤマト」から始まったアニメブームの黎明期ごろでしたから
撮影が終了したセル画が簡単にゴミになったり、関係者が持ち帰っていた頃でしたから
容易に手に入ったのでしょう。
セル画の裏側はたしかに想像以上に汚かったというか
きちんと塗り分けられていなくて、絵の具を塗ってあるというより
盛ってあるっていう印象でした。

最近の作品はほとんどCGワークスですから、作画監督の個性というか
作画能力の差もでなくなってしまい
均一すぎる原画(?)であるあまり何か味気なさを感じます。
Commented by PINKNUT_INC at 2008-12-14 08:20
cyah 様
『手塚先生の作品のセル画を2点ほど紛失』は、大事件でございます。
勿体ないですぅ・・・。
 
ちなみに、アニメの製作現場の映像を、テレビの特集番組やDVDなどの特典映像で拝見する限りは、まぁ、やっぱり背景美術は画用紙に筆塗りで描いている作業が中心のようでした。
 
でも、最近は背景に3DCGを、デジタルくさくないように作成している場合もあるから侮れません。
 
・・・もっとも、だから映画のスタントシーン、アクションシーンでは「デジタル加工なしの本物」とかを謳い文句にしたりしていますね。
 
手描きの凄さも、アニメでは「それが人間業と思えないシーンで手作業にこだわっていたら」それはそれで「売り」になるんでしょうね。
Commented by PINKNUT_INC at 2008-12-14 08:23
灰塵KSR 様
いやぁ、セル画の裏側は、塗料がいつまでもベタベタしています。
 
塗料はある程度乾くから、背景にのせて、セル画時代の撮影は出来たのですが、この塗料、保管している内に、また湿気を含んだりすると潤いを取り戻します(笑)。
 
わたしのセル画は「保護のあて紙を破って掃除する気に」ならないと、もう背景の上には置けません。
 
大ベテラン・アニメーター、大塚康生さんの著作「作画汗まみれ」で「太陽の王子 ホルスの大冒険」のセル画や美術に使われた「岩男モーグ」の大きな絵なんかが、ホルス公開後の後年、アニメ講師として大塚さんが教材に持ち込んでも、皆、感心して実物を見たものの、会社側も使用済みの素材を大切に保管するわけでもなく、いつまでも教室の段ボール箱に放り込まれたままだったそうです。(今より、ずっと昔の話です。)
生徒達にも欲しい、とか、持って帰りたい、という思考回路もなかったようです。(遠慮とか奥ゆかしさ?)
    
今でも、実はある意味で「日本のサブカルチャー文化」というのはそうなのですが、ライブラリーを大切にはしませんね。
保管はいい加減。困ったものです。
Commented at 2012-12-29 20:35 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by PINKNUT_INC at 2013-01-14 11:38
非表示コメント(2012-12-29 20:35) 様
いらっしゃいませ
 
レスが遅くなりました。
 
お申し出の件ですが、上に載せている画像の現物が手元にあればお譲りする事も出来るのですが、ひょんな成り行きで私の私物を展示してくれている、とあるジャズバーさんの所に上のセル画類も預けてしまっています。
 
そちらとは今は密な連絡も取り合っていませんから、まぁ、返して貰える機会があればということで現状では積極的なお約束も出来かねますので申し訳ないです。

なるほど。
 
考えてみれば今はデジタルで作られていて、もう「セル画」というのが新たには生まれてこないのでしょうから、過去の遺産的な「価値もの」なのかもしれませんね。
 
オリジナルなら、それはもう私見でなくても「美術品的価値」があると感じます。
(マニアやファンになら『超お宝』でしょうねぇ。)

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