アニメ「たまゆら」を楽しんだ♪
2017年 06月 07日
今回、ご紹介するのはアニメ「たまゆら」である。
「たまゆら」は、
佐藤順一(さとう じゅんいち)氏が、原作、監督、脚本、演出をしたアニメシリーズであります。
大変に素晴らしい作品だ。
シリーズの完成に2010年から2016年までを要した。
たまゆら (2010年)
たまゆら〜hitotose〜 (2011年)
たまゆら〜もあぐれっしぶ〜 (2013年)
たまゆら〜卒業写真〜(2015年)←(4部作で、4部目の公開が2016年4月になった。)
以上の構成である。
アニメとしての企画が純然たるもので、漫画原作とか、小説とかがあるわけではない、秀逸な"青春もの"だ。
ストーリー的には男女の恋愛要素も特にはない。
バトルもなければ、SF要素とも無縁。
女子高生たちの友情と、彼女を取り巻く大人たちとの機微が展開の主軸だ。
(まぁ、ヒロインの弟が「男の娘(おとこのこ)」な容姿なのがユニークだが、そっちの盛り上がりが申し訳程度に添えられるから、男女絡みがあると言えばそれくらいか。あ、ヒロインの学校の男性教師の恋愛顛末ごともあった(笑)。)
しかも、舞台が広島県の竹原市という具体的な設定で、実在のロケーションが丹念に作品世界に織り込まれている。
生活空間、空気感のリアリティが心こまやかなのだ。
「絵的」にも竹原市の街並みや瀬戸内海や小島の描写などが緻密で素晴らしい。
人気も支持も得た。
(こういうジャンルの作品が好きな人で未見な人は是非見るべきだし、日常作品に食指の動かないアクションマニアにも触れてほしい逸品だ。)
OVAのリリース後、評価も得たので、
その後、テレビシリーズアニメとして12話構成が2シーズン行われる。
まず、たまゆら〜hitotose〜 (2011年)
舞台設定的には、楓(ふう)の父親も「デジカメ世代」になっていてなんら不思議はないのだが、彼女の父親が(その昔)高校生時代に仲間と写真部をやっていたという設定なので、フィルムカメラの愛好家を貫いていたようだ。
「料理屋」ではないので(カフェテリアなので)、本編には「焼き菓子」などのスイーツ系がよく登場していた。
「ほぼろ」という店が、主役たちの行きつけの店として紹介されていた。
瀬戸内の小島で旅館を経営している麻音の父と母。
毎年10月末ないし11月最初の土曜・日曜にかけて開催されるとのこと。(開催期日は年によって微妙に前後するみたい。)
キャラA「あんなに灯しても、数時間後には消してしまうのにな。」
キャラB「だから、きれいなんだよ。」
これって、人生そのものや生き方の真理かもしれない・・・。
前作TVシリーズから、2年後の全12話。
下の画像は第4部のもの。
「たまゆら」というのは写真撮影で生じる「ひかりのゆらぎ」であり、普通、肉眼では見えない。オーブ現象とも呼ばれ、小さな水滴の様な光球である。肉眼では見えず写真でのみ確認される。
(ダンナ、教師のまま、奥さんも「お好み焼き屋」経営継続の共稼ぎなんだろうね。)左でカメラを構えているのは、楓(ふう)が写真部創設した時から顧問になっている新任女性教師です。
じつは、本欄では紹介しきれなかった、個性的なキャラのまことに多いシリーズでした。(どのキャラも、その生活感や人生の波や悩み、歓びのあることが丁寧に~時に匂わせるだけのような描写であっても~、ちゃんと補足出来ている作品でした。)
作品紹介的には、(細かなエピソードはさておき)全編について語ってしまいましたが、私の好きなアニメ作家さんが、素敵な作品を作り続けていることに感動します。
そうして、
ここまで紹介しても、この作品の素晴らしさは(未見の方は)全編ちゃんと見ていただければと思います。
エンタメで、アクションやカタルシスとか刺激的なものを求めるのも、当然一興なわけですが、「癒し」「微笑み」「爽やかな涙」を得るのも大切なことです。
実在の竹原市にも興味を抱かせる名作ですが、町や風景、実在のものは変わっていきます。
人も変わっていくのだから。
でも、その時その時に感じたこと、体験したことがすべて失われてしまうわけではありません。
(よくない記憶を引きずるのはどうかとは思えますが)、いいことはより大切に、消えずに残るものです。
"たまゆら"って、エンターテイメントのオーラを指しているのかもしれない。
それと、
本作のオープニングテーマやエンディングテーマ、はたまた、1話~数話分の挿入歌として、下記の有名なヒット曲が(基本的にオリジナル歌手のままではなく、歌い手は替えて)使われていました。
豪華な顔ぶれです。
使われ方は、それぞれのシーズンによってエントリーが変えられていました。
★「やさしさに包まれたなら」
作詞・作曲 - 荒井由実
★「おかえりなさい」
作曲 - 松任谷由実
★「A HAPPY NEW YEAR」
作詞・作曲 - 松任谷由実
★「はじまりの海」
作詞・作曲 - 大貫妙子
★「ありがとう」
作詞・作曲 - 尾崎亜美
★「最後の春休み」
作詞・作曲 - 松任谷由実
★「神様のいたずら ~うたとぴあの~」
作詞・作曲 - 大江千里
★「卒業写真」
作詞・作曲 - 荒井由実
以上、私の気が付いたものだけでもこれほど豪華。
(記載漏れがあるかもしれません。)
使用許可をもらうのもご苦労や手間があったでしょうね。
でも、この「たまゆら」という作品になら、使われたシンガー、ライター達も納得し、むしろ喜んで下さったことでしょう。
こうした楽曲が、この作品世界にとてもマッチしていて素敵でした。
このことも書き添えておきます。
by PINKNUT_INC | 2017-06-07 07:55 | アニメ